写真●WebSAM AssetSuite DC Editionの画面(ミドルウエアの依存関係を可視化)
写真●WebSAM AssetSuite DC Editionの画面(ミドルウエアの依存関係を可視化)
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 NECは2012年8月22日、IT機器/アプリケーションの構成情報を管理する構成管理/資産管理ソフト「WebSAM AssetSuite」の新エディションとして、大量のサーバーを抱えたデータセンターに向けた製品「WebSAM AssetSuite DC Edition」(写真)を発表、同日販売を開始した。ミドルウエアの依存関係を把握する機能を追加し、順番を間違えずにパッチを当てられるようにした。

 WebSAM AssetSuiteは、構成管理/資産管理ソフトである。エージェント(管理対象サーバー上にインストール)やプローブ(ネットワーク監視モジュール)などから収集したIT機器/アプリケーションの構成情報/資産情報を、マネージャー(管理サーバー)上で一元管理する。ソフトウエア配布機能も提供し、パッチが当たっていないサーバーに対して、手動でパッチを適用できる。

 今回新たに加わったDC Editionは、管理対象サーバーが多くパッチ適用負荷が大きいデータセンター環境向けのエディション。パッチ適用負荷を軽減するための機能として、Web 3層システム(Web/AP/DB)で使われるミドルウエア(それぞれのサーバーソフト)同士のシステム上の依存関係を把握/可視化できるようにした。これにより、パッチを当てる順番などが分かるようになる。

CAのソフトを組み込み、パッチ適用を容易に

 なお、システムとミドルウエアの依存関係を把握する機能としては、米CA Technologiesのソフト「CA Configuration Automation」(CCA)を利用している。DC Editionとは、WebSAM AssetSuiteをベースとしつつ、これにCCAの機能を組み込んだ上位エディションとなる。単純にCCAをバンドルしただけではなく、WebSAM AssetSuiteの画面と統合している。

 ただし、DC Editionを使っても、パッチの適用は手動で実施しなければならない。パッチの適用を自動化するためには、別途、WebSAMブランドの別のソフトウエアが必要になる。なお、NECでは以前から、パッチ適用の自動化などを含め、複数のWebSAM製品群をデータセンター向けにパッケージ化したスイート製品「WebSAM DC運用パック」を用意している。

 DC Editionの価格(税別)は、NECが想定している最小構成である、仮想サーバー100台を管理する構成(20CPUライセンス)で、ライセンス一式が480万円程度。なお、エージェントのライセンスは、仮想サーバー環境に向いたCPUライセンス(物理サーバーのCPU当たりのライセンス)と、物理サーバー環境に向いたインストール台数ライセンスの二つを用意している。

 稼働環境は、以下の通り。マネージャー(マネージャー/中継マネージャー)の稼働OSは、Windows Server 2003/2008。エージェント、プローブ、管理コンソールの稼働OSは、Windows XP/Vista/7、Windows Server 2003/2008。