米Bloombergは現地時間2012年8月20日、米カリフォルニア州の連邦地方裁判所で行われている米Appleと韓国Samsung Electronicsの特許訴訟について、両社の最高経営責任者(CEO)が同日中に電話会議を開き、和解に向けて協議を行うと報じた。事情に詳しい関係者がBloombergに明かしたもので、8月の第4週に始まる陪審員評議の前に両社は裁判外で紛争解決が可能かどうかを判断する。

 これは、裁判の証人尋問が終わりに近づいたことからカリフォルニア州北地区連邦地裁のLucy Koh判事が、AppleのTim Cook CEOとSamsungの権五鉉(Kwon Oh Hyun)CEOに要請したもので、両社の弁護士が電話協議の結果をKoh判事に報告することになる。Bloombergによると、判事は両社が紛争を解決できるものと楽観しているという。

 Appleは2011年4月に、Samsungの製品が「iPhone」や「iPad」関連のデザイン特許、登録商標を侵害したとして、カリフォルニア州の連邦地裁に提訴。Samsungも通信技術に関する特許がAppleに侵害されたとして提訴し、その後両社の訴訟合戦は世界各国に広がった。米Associated Press(AP通信)によると、AppleはSamsungに対し25億ドルの損害賠償を、SamsungはAppleに対し3億9900万ドルの特許使用料を求めている。

 なお両CEOは裁判開始前にKoh判事によって裁判外紛争処理(ADR)を促されて和解協議を行ったが、その後、この協議で合意することはできなかったと報告している(関連記事:AppleとSamsungの特許係争、両者が和解協議への参加に合意)。