写真●アライドテレシスのPoE給電&節電機能搭載デスクトップ向けスイッチ「CentreCOM FS708TPL-PS」
写真●アライドテレシスのPoE給電&節電機能搭載デスクトップ向けスイッチ「CentreCOM FS708TPL-PS」
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 アライドテレシスは2012年8月20日、デスクトップ向けLANスイッチの新製品「CentreCOM FS708TPL-PS」(写真)を発売したことを発表した。10M/100M自動認識ポートを8ポート搭載し、IEEE802.3af準拠のPoE(Power over Ethernet)給電機能に対応した。価格は4万4800円で、出荷開始は8月27日を予定している。

 CentreCOM FS708TPL-PSは、オフィス内でパソコンやIP電話機などを収容することを想定したタップ型のデスクトップ向けスイッチ。PoE給電に対応した容量の大きな電源(最大消費電力60W)を内蔵しながらファンレスかつ220mm(幅)×97mm(奥行き)×42mm(高さ)というコンパクトな筐体サイズを実現している。標準搭載のマグネットを使用してスチール製デスクの側面などに貼り付けて設置できる。

 8ポートすべてがPoE給電(1ポート当たり最大15.4W供給可能)に対応しているが、装置全体での最大給電能力は「49W」である。給電方式は、LANケーブルの8芯(4対)のうち信号線と電源線を共用する「Type A」(オルタナティブA)を採用している。

 通常利用時の節電機能として、本体前面の切替スイッチ(ディップスイッチ)により通信状態などを表すポートごとのLEDランプを消灯できる「エコLED」機能と、リンクダウン中のポートの電力消費を自動的に抑制する「省電力モード」の二つを搭載する。エコLED機能はポートLED以外のLEDランプは消灯しないため、ネットワーク運用への影響を与えずに節電を図れるという。

 上記二つの節電機能に加えて、1番から7番ポートのリンク状態と8番ポートのリンク状態を連動させる「リンクリレー」機能も搭載。例えば8番ポートを上流にあるスイッチやサーバーへのアップリンクポートとして利用している場合、退社時刻などに1番から7番ポートに接続しているすべての機器の電源を落とすと、8番ポートも連動してリンクがダウンし、「誰も使ってないのにアップリンクだけ生きている」という状態を回避できる。

 逆に、8番ポートのリンクがダウンした際には1番から7番ポートのリンクも連動してダウンする。この場合は上流への通信経路がなくなっている状態にもかかわらず、無駄にLANスイッチを稼働させ続けるのを避けられる。どちらのケースでも、1ポートでも事後にリンクアップすると、連動する側のポートも短時間で自動リンクアップするようになっている。リンクリレー機能は、本体前面にある切替スイッチで利用するかどうかを設定可能だ。

 本体前面には、他に「Force MDI切替スイッチ」というスイッチも備わっている。これをオンにしてForce MDI機能を有効にすると、接続ケーブルのストレート/クロス自動識別機能(オートMDI-X/MDI)が無効化され、1番から7番ポートがMDI-X、8番ポートがMDIに固定される。MDI-Xポート同士は通常パソコンなどの機器を接続するために使うストレートケーブルで接続してもリンクアップしないため、「抜けているLANケーブルを誰かが親切心で空きポートに挿してしまう」といったケーブルのループ接続によるネットワークダウン(メルトダウン)の発生を未然に防げる。