図●Javaアプリケーションを実行させるサーバー構成をグラフィカルなインタフェースで設定できる
図●Javaアプリケーションを実行させるサーバー構成をグラフィカルなインタフェースで設定できる
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 使えるねっとは2012年8月17日、クラウド事業者の米Jelasticと提携し、Javaアプリケーションのホスティングに特化したPaaS(Platform as a Service)型のクラウドサービス「Jelastic」を提供開始した。アプリケーションに割り当てるリソースをきめ細かく指定して1時間単位で利用できる柔軟性の高さやデプロイ(展開)作業の簡単さ、使用リソースの自動最適化機能などを売りとしている。

 使えるねっとによれば、従来Javaアプリケーションをクラウド上の仮想サーバーにデプロイする際には、利用するベンダーのクラウドプラットフォームに合わせて開発時にその都度ソースコードを修正するなどの面倒な作業が必要だったという。これに対してJelasticでは、コンテナ型仮想化技術の採用などにより、ユーザーがアプリケーションのWAR(Web application ARchive)ファイルをアップロードするだけで自動的にデプロイできる仕組みになっている。

 デプロイ後の運用に関しても、ユーザーが自らサーバーやアプリケーションにかかる負荷などを見ながら使用リソースを手作業で調整するなどの手間を省けるようにする「オートスケール」機能を用意。サーバーリソースの上限値を指定しておくだけで、使用リソースが範囲内で自動調整される仕組みを採用している。なお、指定した上限内での利用においても、アプリケーションが実際には使っていないリソース分の利用料金は発生しない。

 TomcatやGlassFish、JettyなどのJavaアプリケーションサーバーを含む標準的なJavaサーバーアプリ実行環境をサポートし、データベースについてはSQL(MariaDB、PostgreSQL、MySQL)およびNoSQL (MongoDB、CouchDB) データベースを利用可能となっている。具体的に、Javaアプリケーションをどのような構成で実行させるかについては、ユーザーが管理画面上でグラフィカルなインタフェースを使って設定できる()。

 料金は、128Mバイトのメモリーと200MHzのCPUコアに相当する「クラウドレット」(Cloudlet)と呼ぶリソース単位を基本とし、利用1時間ごとに課金する従量課金性となっている。これ以外に、ストレージ利用料(ディスク容量1Gバイトの場合で0.021円/1時間)や外部通信に利用するIPアドレス利用料(1グローバルIPv4アドレスで0.6円/1時間)、データ転送量に応じて必要となる料金(1Gバイト当たり13.65円、ただし12月31日までは無料)などの追加料金が発生する。

 使えるねっとによれば、例えばリソースの上限をメモリー1Gバイト(8クラウドレット)およびストレージ容量20Gバイトと設定した仮想サーバーを1カ月間フルに利用した場合、最大で月額約1万2398円になるとしている(オートスケール機能のところで説明したように、利用しない時間帯やリソースがあればその分減額される)。