NTTドコモは2012年8月15日、携帯電話の国際ローミングサービス「WORLD WING」で発生していた輻輳問題(関連記事)が解消したと発表した。音声通話やパケット通信のトラフィックを絞り込む措置などを進めた結果、15日午前2時13分にすべての海外通信事業者で問題なく使える状態に戻った。影響人数は約8万人。

 国際ローミングサービスにおける輻輳は、8月13日午後6時24分ころに発生。世界220の国と地域で音声やパケット通信が使いづらい状況が続いたが、米国や中国、韓国、台湾などから解消。14日午後10時13分には220の国・地域で少なくとも1つの通信事業者で使える状況に回復していた。顧客の問い合わせ件数は15日午前2時17分時点で1396件。

 原因は調査中。回復までに約32時間を要した理由として、NTTドコモは以下の2点を挙げている。一つが、事象の確認と原因の特定に時間がかかってしまったこと。もう一つが、輻輳の解消にはそもそも時間を要することである。音声通話やパケット通信が使いづらい状況に陥ると、ユーザーは何度も試そうとするので混み具合が悪化する。そこで、まずは通話や通信を規制して混雑を解消。様子を確認しながら規制を徐々に緩和していく手法を取るため、どうしても時間がかかる。