米IDCが現地時間2012年8月8日に公表した世界のスマートフォン市場調査によると、同年第2四半期(4~6月)におけるAndroid端末の出荷台数は前年同期比106.5%増の1億480万台となり、市場シェアは前年の46.9%から68.1%に拡大した。また米Appleの「iOS」の出荷台数は2600万台となり、前年同期から27.5%増えたが、シェアは18.8%から16.9%に低下した。

 第2四半期におけるOS別の出荷台数順位は、上位からAndroid、iOS、BlackBerry OS、Symbian、Windows Phone 7/Windows Mobile、Linuxとなった。IDC主席アナリストのKevin Restivo氏は、「世界のスマートフォン市場はAndroidとiOSが支配している状態。今後スマートフォンの普及が進むにつれ競争はさらに激化していく」とコメントしている。

 Android端末の出荷増に大きく貢献したのは韓国Samsung Electronics。四半期中の全Androidスマートフォン出荷台数に占めるSamsung端末の割合は44%に達し、これはSamsung以外のAndroid端末メーカー7社の合計よりも多い。Android 4.0(コードネーム:Ice Cream Sandwich)が順調に伸びていることも注目に値するとIDCは指摘している。

 iOSの出荷台数は前年同期比で2桁成長となったが、伸び率はスマートフォン市場全体の42.2%を下回った。iPhoneの現行モデル「4S」が市場投入されたのが昨年の10月であること、新モデル登場のうわさが流れたことで、iPhoneは減速期に入った。ただし、iOSは3位以降のすべてOSの合計出荷台数を上回っており、地位は盤石という。

 一方、かつて1、2位を争っていたBlackBerry OSとSymbianは、前年同期からそれぞれ40.9%、62.9%減少した。BlackBerry OSのシェアは4.8%まで低下し、2009年第1四半期以降の最低水準。Symbianの減少幅はこれまでで最も大きい。

 これに対しWindows Phone 7/Windows Mobileの出荷台数は540万台とまだ少ないものの、前年同期から115.3%増えている。これはフィンランドNokiaがLumiaシリーズの出荷台数を伸ばしていることが主な要因。今後Microsoftがシェアを伸ばすためには、今秋リリースするWindows Phone 8でさらに弾みをつける必要があるとIDCは指摘している。

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