ジャパンケーブルネット(JCN)は2012年8月8日の記者会見で、JCNのコミュニティーチャンネルに新チャンネル「にっぽんケーブルチャンネル」を追加し、10月1日にJCN傘下のグループ局で放送を開始すると発表した。

 にっぽんケーブルチャンネルは、「全国から地域へ、地域から全国へ」をコンセプトとする。JCNグループが制作する首都圏の地域番組に加え、日本各地のケーブルテレビ事業者が制作する地域番組やお祭りの番組など、故郷の情報や日本の地方文化に触れられる番組を放送する。1日に提供する全国各地のケーブルテレビの番組本数は平均約20本である。日本ケーブルテレビ連盟の番組アワード受賞番組やジュピターテレコム(J:COM)との連携番組(生中継を含む)、自治体アーカイブ映像なども放送する。

<日本ケーブルテレビ連盟の番組流通システムを活用>

 日本各地の約50のケーブルテレビ事業者の協力を得て、各社が制作した番組素材を活用し、番組を編成する。協力関係を持つケーブル事業者は「順次拡大していく」(メディア事業本部メディア営業部長の吉田哲也氏)という。JCNが制作した番組素材も協力関係を持つケーブル事業者に提供する。

 今後も協力関係を持つケーブルテレビ事業者が視聴者に充実したコミュニティーチャンネルを提供できるように番組素材の流通を活性化していく。番組素材の流通には、主にブラウザ経由で簡易に素材の交換が可能な日本ケーブルテレビ連盟の番組流通システム「AJC-CMS(All Japan Cable-TV ContentsManagement System)」を使用する。さらに今後の展開として、「SNSを活用した相互視聴者交流」などを挙げた。

<10月1日から二つのコミュニティーチャンネルを運営する体制に>

 既存のコミュニティーチャンネル「JCNプラスチャンネル」の放送は継続する。JCNプラスチャンネルでは、「デイリーニュース」を中心に地域に特化した番組づくりを推進する。地域密着チャンネルというコンセプトを明確にする一環として、2012年10月にはチャンネルの名称をJCNグループの統一名称であるJCNプラスチャンネルから、例えば「JCN鎌倉チャンネル」というふうに各事業者個別名称に変更する。

 今回の会見でJCNは、今後の放送設備構成についても報告した。にっぽんケーブルチャンネルの放送開始に向けて、2012年9月中に新規設備を設置し、ハイビジョン2番組のマルチ編成放送を行うことができるようにする。「ブロードネットマックスの自主放送装置を導入する。現行のJCNプラスチャンネルについても、2013年4月からハイビジョン2番組のマルチ編成放送を予定する。

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