図●ダイナミックアプリでは「Base Native Application」と「javascript library」という2つのライブラリでハードウエアやOSの違いを吸収して共通のフレームワークを提供する
図●ダイナミックアプリでは「Base Native Application」と「javascript library」という2つのライブラリでハードウエアやOSの違いを吸収して共通のフレームワークを提供する
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 ジークスは2012年8月8日、スマートフォン向けのアプリケーション開発フレームワーク「ダイナミックアプリ」の提供を開始した。iOSやAndroidといった異なるOSを搭載するスマートフォンに対して、共通のコードでアプリケーションを開発してネイティブアプリとして提供できる。

 スマートフォン向けのアプリを開発する場合、一般的に各OSごとに異なる開発言語を利用する。このため、異なるOSのスマートフォンに対して提供するには、別の言語で改めて開発し直す必要があった。また、同じAndroidでもOSのバージョンや機種によって違いがあるなど、互換性の問題が生じることがあった。

 ダイナミックアプリでは、HTML5とJavaScriptを使ってアプリケーションを記述すると、iOSとAndroidを搭載したスマートフォン向けのネイティブアプリを生成できる。開発したアプリを動作させるためのライブラリと組み合わせることで、ハードウエアやOSの違いを吸収するため、同じソースコードで異なるスマートフォン向けにアプリを提供することが可能だ(

 ネイティブアプリとすることで、Webブラウザ上のHTML5アプリとして提供するよりも、ハードウエアのリソース活用や、パフォーマンスの向上が可能になるメリットがある。ダイナミックアプリでは、そのためにカメラやNFCなどのハードウエアリソースを利用するAPIなど11個のライブラリを、HTML5に追加している。アプリとしてインストールするため、スタート画面にボタンを配置したり、通知をプッシュ型で伝えることも可能だ。

 同種のソフトとしては、米Adobe(開発元のカナダNitobi社を買収)が提供している「PhoneGap」がある。ダイナミックアプリは、このPhoneGapと同じ狙いの製品だが、日本メーカー製のAndroidスマートフォンなど日本国内で提供しているスマートフォンに対して検証を実施することで差異化を図る。

 ダイナミックアプリの価格は1ライセンスあたり27万円。将来的には、GPLに基づく形でのソースコード公開を予定している。また、iOSとAndroidに加え、今後はWindows Phoneへの対応を計画している。