イー・アクセスは2012年8月7日、報道陣に向けて同社のネットワーク関連施設「東京エンジニアリングセンター」を公開した。都内某所に存在するこのセンターは、元々物流業用の建物だった地上5階建ての施設を再利用。イー・アクセスのモバイルサービス、ADSLサービスの監視をする「ネットワークオペレーションセンター」のほか、モバイル端末の修理対応を行う「イー・モバイル リペアセンター」、新たに導入する機器のテストなどを行う「テストベッド」、端末のテストを行う「シールドルーム」など、同社のネットワークを支える基幹機能が集結している。

 後発の事業者ゆえに、コンパクトで効率的なネットワーク機器の採用が目立ち、エンジニアリングセンター自体も他社と比較してコンパクトに凝縮されているのが印象的だった。公開された各施設を写真を中心に紹介しよう。

コンパクトな機器を採用、バッテリー駆動面でも有利というLTE基地局

写真1●ラック上段の2~3Uのユニットがベースバンドユニット。その下は電源をACからDCに変換する装置、エントランス回線の終端用のONU、電源消失時用のバッテリーなど
写真1●ラック上段の2~3Uのユニットがベースバンドユニット
その下は電源をACからDCに変換する装置、エントランス回線の終端用のONU、電源消失時用のバッテリーなど
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 まず案内されたのは、同センターの屋上に設置された実稼働中の屋外基地局。ラックに収められたベースバンドユニット自体のサイズは2~3U程度であり、非常にコンパクトな機器を採用している(写真1)。「LTEとW-CDMAの機能がこのユニットに凝縮されており、ここからアンテナ(写真2)に接続している」(説明員)。

写真2●LTE対応基地局のアンテナ部分。2×2 MIMOの構成のためアンプユニットが2つずつ見える
写真2●LTE対応基地局のアンテナ部分。2×2 MIMOの構成のためアンプユニットが2つずつ見える
写真2●LTE対応基地局のアンテナ部分
2×2 MIMOの構成のためアンプユニットが2つずつ見える
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 コンパクトな機器を採用することで、消費電力的にも有利に働いているようだ。ベースバンドユニットの下には、クルマのバッテリーくらいのサイズのバッテリーが4個見えたが、これだけで外部電源が消失した場合も約6~7時間、基地局の機能を維持できるという。ちなみにこちらに設置されていた基地局装置は、スウェーデンのエリクソン製だった。