音声認識技術の米Nuance Communicationsは現地時間2012年8月6日、モバイル向け音声バーチャルアシスタント機能「Nina」を発表した。

 企業は、既存のiOSあるいはAndroid用モバイルアプリケーションに、音声制御のバーチャルアシスタント機能を手軽に追加し、顧客向けセルフサービスなどを大幅に強化できる。

 Ninaは、Nuanceの音声認識技術とテキスト読み上げ(TTS)技術、音声ベースの生体認証、自然言語処理(NLU)技術を組み合わせ、クラウド上で動作する。何を話しているか理解するだけでなく、誰が話しているかも識別する。

 Ninaでは、既存モバイルアプリケーションと統合するためのオープンなソフトウエア開発キット(SDK)を提供する。音声入力中、処理中、回答などの表示やTTS音声をカスタマイズすることも可能。

 Nuanceによると、金融大手の米USAAが専用モバイルアプリケーションにNinaを採用することを決定した。8月にパイロットプログラムを実施し、2013年初期に全会員に向けて同機能を提供する。

 Ninaは米国、英国、オーストラリアですでに提供を開始している。当初は英語のみ対応し、年内に他の言語にもサポートを拡大する。

 音声バーチャルアシスタントでは米Appleの「Siri」が広く知られているが、NuanceはSiriにも音声認識技術を提供している(米TechCrunchの報道)。

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