米Appleが今秋リリースするモバイルOS「iOS 6」には、YouTubeのアプリケーションは標準搭載されないようだ。複数の海外メディアが現地時間2012年8月6日に報じた。テクノロジー系ニュースサイトの米The Vergeは「iOSにYouTubeアプリを搭載するためのGoogleとのライセンス契約が切れたため」とするAppleの声明を伝えている。今後YouTubeは、AppleのSafariブラウザーで利用できるほか、専用アプリ(Googleが開発中)がAppleのアプリ配信サービス「App Store」で提供されるようになるとAppleは説明している。

 YouTubeアプリはiPhoneの初代機が発売された2007年からこれまでAppleのモバイル端末に標準搭載されてきた。だが、米Wall Street Journalよると、Googleが「Android」をリリースしたころから両社はそれまでの関係を保つのが難しくなった。Appleは今年6月にiOS 6を発表したが、このとき併せてGoogleの地図サービスに代えて独自の「Maps」アプリを搭載することを明らかにした。こうした動きも両社の関係の変化を示しているとWall Street Journalは伝えている(関連記事:Apple、iOS 6向け独自地図アプリでTomTomとライセンス契約)。

 同紙は事情に詳しい関係者の話として、関係がぎくしゃくするにつれYouTubeアプリは両社の間で悩みの種になっていたと伝えている。AppleはYouTubeアプリの設計や機能について自社が完全管理する姿勢を崩さず、一方でGoogle側はブランド変更に伴う改良を加えたいと考えていたという。

 なおThe Vergeは、Google側から「Appleと協力して、iOSのユーザーに最高のYouTubeサービスを提供したい」というコメントが得られたと伝えている。このことからThe Vergeは、YouTubeアプリは今後より頻繁にアップデートされるのではないかと予測している。