ビットメディア(ホームページ)は2012年8月3日、NHK(日本放送協会)のロンドンオリンピック向けネット動画における制作ワークフロー環境として同社が開発した「ShareCast Playlist Editor」が採用されたと発表した。パソコン/スマートフォン向け特設サイトの競技別動画や、ネット接続デジタルテレビのハイライト動画などの制作ワークフロー環境として活用されているという(例えば体操男子個人総合の選手別・種目別の動画集はこちら)。
同Editorは、P2P(Peer to Peer)技術とクラウド環境を活用したストリーミング配信技術「ShareCast」の新機能として開発したもので、Webブラウザーで動画クリップを即時に簡易制作できるのが特徴という(関連記事1)。
iPhone/iPad向けのストリーミング・フォーマット「HTTP Live Streaming(HLS)」形式の特徴である5秒~10秒程度の動画セグメント・ファイルを連続再生させる仕組みを活用し、再生する一連のセグメント・ファイル群のin点とout点をWebブラウザー上でプレイリストとして指定するだけで簡易カット編集を実現する。複数チャンネルのライブ動画のセグメント・ファイルをクラウド環境にキャプチャしながら、ブラウザーを使って動画クリップを簡単に作成できる。
今回は、このShareCast Playlist Editorの基本機能をカスタマイズし、ロンドンから送られて来る40チャンネル以上の大量のライブ競技映像と、選手リストなどのメタデータを取り込みながら、多数の作業者が同時かつ即時に動画クリップを作成し、責任者が管理・公開登録できる動画制作ワークフローシステムとしてクラウド環境上に構築した(図)。1日当たり数1000本規模の動画クリップ制作を支える処理能力を備えるという。
ビットメディアは、今後も放送局のネット動画活用を支援する技術基盤として機能拡張していくとともに、MPEG DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)への対応を進める。また個人が無料で利用できるライブ中継サイトのライブ動画をリアルタイムで簡易編集し、見どころを直ちに動画共有サイトに転送できる機能の実現など、ライブとオンデマンドを統合した次世代動画プラットフォームの開発を推進する。
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