総務省は2012年8月3日、「コンテンツ海外展開協議会」の報告書を公表した。コンテンツ海外展開協議会は、日本のコンテンツの海外展開の促進に向けた課題に対して官民が連携して取り組みを進めることを目的に活動を行っていた。

 今回の報告書では、オール・ジャパンとして海外展開を更に促進させるための方策についての提言を取りまとめた。「ローカライズへの対応」「海外発信チャネルの継続的な確保」「海外向けネット配信も視野に入れた権利処理のさらなる円滑化」など10項目を挙げた。

 ローカライズへの対応では、特にコンテンツ販売価格が安い新興国向けの字幕付与や再編集などの費用について、「一定の需要が創出されるまで政府が支援を実施することで、海外展開に向けた機会創出を促進すべきである」とした。海外展開のプロモーションに用いる資料(サンプル映像や番組説明書など)の翻訳費用をはじめとした販売経費などについても、「支援を検討すべき」という。海外展開を拡大させていくための多言語化への対応については、「英語だけでなく一定の需要が見込める中国語、フランス語、アラビア語、スペイン語、東南アジア諸国の現地語などへのローカライズに対する支援もあわせて実施すべき」などとした。

 海外発信チャネルの継続的な確保では、多様化するコンテンツ流通に対応するため、「放送のみならずネットなどを活用したマルチスクリーンでのコンテンツ海外発信のあり方についても検討すべき」という項目を盛り込んだ。さらに海外でまとまった放送枠を継続的かつ戦略的に確保するにあたり、「官民が一体となって新体制の整備を視野に入れた継続的な海外展開に向けた仕組みづくりを検討する必要がある」とした。

 海外向けネット配信も視野に入れた権利処理については、実演家の二次利用許諾申請の窓口業務などを手がける「映像コンテンツ権利処理機構(aRma)」のさらなる発展の重要性を指摘した。

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