画面●Antenna House PDF Server V3.0の画面
画面●Antenna House PDF Server V3.0の画面
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 アンテナハウスは2012年8月1日、PDF変換ソフトの新版「Antenna House PDF Server V3.0」(画面)の販売を開始した。Windows Server上でスタンドアロンで動作し、監視フォルダ内の文書をPDFなどに自動的に変換するソフトである。新版では、PDF変換速度を2倍に高めたほか、ファイル形式に応じた出力先フォルダの制御など、使い勝手を高めた。

 同ソフトの基本機能は、特定のフォルダを定期的に監視し、フォルダに保存されたオフィス文書を、PDFなどに変換するもの。入力できるファイル形式は、オフィス文書(Word/Excel/PowerPoint)、Visio、一太郎、DocuWorks、PDF、テキスト(TXT、XML)、画像(BMP、JPEG、PNG、TIFF)である。一方、変換後の出力形式は、PDF、画像(JPEG、TIFF)、テキスト(OCR処理結果)である。

 エディションは二つある。「スタンダード」は、同時に起動できるタスク(処理)の数が最大5個に限られる。監視フォルダの数だけ別個のタスクを設定する必要がある。なお、タスク数に応じて処理負荷がかかる。変換方法は、フォルダ監視による自動変換に限られる。スタンダードエディションの価格(税込み、以下同)は、26万2500円。

 一方、上位版の「プロフェッショナル」は、同時起動タスク数に制限がないほか、一つのタスクで複数のフォルダを同時に監視できる。さらに、フォルダ監視による自動変換に加えて、専用コマンドを使って対話型に実行できる。これを使うことで、バッチ処理プログラムや運用管理ソフトなどから、条件に応じて変換処理を実施できる。プロフェッショナルエディションの価格は、49万3500円。

処理速度と使い勝手を向上

 新版では、オフィス文書からPDFへの変換速度を、従来版の約2倍に高めた。同社の検証によると、大きな画像を6枚貼り付けたWord文書(DOC形式、3ページ、12Mバイト)をPDFに変換する処理が、従来版の22秒から新版では10秒になったとしている。

 新版では使い勝手も高めた。例えば、複数の出力先フォルダを指定できるようにした。フォルダAにはPDFを出力し、フォルダBには画像(JPEG、TIFF)を出力する、といった運用を可能にした。このほか、出力時のページサイズ(A4/A5など)を指定できるようにした。

 従来版では共通設定となっていたフォルダ監視とファイル変換に関する設定を分割し、これらを個別に設定できるようにした。また、変換ファイル名と同じ名前(完全一致)の設定ファイル(*.ini)を入力ファイルと一緒に監視フォルダに置くことで、特定の入力ファイル専用の変換設定を指定できるようにした。例えば、ファイルごとに異なるQRコードを貼り付けられるようになった。

 今後は、CADファイルからのPDF変換に特化した製品「AH PDF Server V3 CAD」を提供する予定である。