写真●パスゲッターの画面
写真●パスゲッターの画面
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 インターナルは2012年8月2日、パスワードで保護されたWord/Excelファイルをパスワード総当りによって解除するユーティリティソフト「パスゲッターOffice Edition」(写真)を発表した。パスワードを忘れてしまったオフィス文書を開けるようになる。特徴は、グラフィックス処理チップの演算機能を利用して高速にパスワードを解析することである。

 提供開始は、ダウンロード版が8月2日。約1週間後からCD-ROM版も提供する。価格(税込み)は、1万800円で、提供開始当初の期間限定価格は7980円。売り上げなどの状況に応じて、当初の設定期間が過ぎても7980円のまま継続する。料金の支払いは、銀行/郵便局への振り込みや請求書、クレジットカードなど、一般的な方式を利用できる。

 パスゲッターOffice Editionは、オフィス文書ファイル(WordおよびExcel)を対象としたパスワード解除ソフトだが、このほかの既存エディションには、ZIPファイルを対象とした「ZIP Edition」と、PDFファイルを対象とした「PDF Edition」がある。今回、ZIPとPDFに加えて、新たに企業ユーザーが日々利用するオフィス文書向けにパスワード解除ソフトを追加したかたちだ。

 Windows XP/Vista/7上でスタンドアロンで動作する。パスワードで保護されたWord/Excelファイルを指定するだけで、パスワードを総当り形式で試し、設定されているパスワードを解析する。解析したパスワードを表示できるほか、解析したパスワードを使ってファイルを開くことができる。オプションで、利用する文字の種類(大文字英文字、小文字英文字、数字、符号)のON/OFFや文字数、利用するCPUコア数、GPGPU(グラフィックス処理チップの浮動小数点演算能力を、汎用的な用途に利用すること)のON/OFFなどを設定できる。

GPGPUで処理性能を100倍に

 最大の特徴は、GPGPUを利用して高速に動作することである。米NVIDIAのグラフィックス処理チップ/カード製品(GeForceなど)を採用したパソコンにおいてGPGPU機能を利用できる。

 同社のパソコン環境(Core i7 920、GeForce GTX 590)での検証では、パスゲッターZIP EditionでGPGPU機能をONにした場合、毎秒5億パターンのパスワードを試すことができたという。一方、フリーソフトのZIPパスワード解除ソフト(GPGPU非対応)では毎秒500万件程度だったという。これらを比較すると、単純計算で処理性能が100倍に向上している。

 なお、解析に時間がかかる場合は、解析を途中で中断して途中経過を保存しておくことで、解析を再開させることができる。

■変更履歴
記事の公開当初は、ZIP向けの前バージョン「パスゲッターPro」の画面を掲載していましたが、今回発表されたソフトの画面に差し替えるとともに、図の説明も変更しました。[2012/8/2 20:00]