レッドハットは2012年8月1日、Javaアプリケーションサーバーソフトの新版「JBoss Enterprise Application Platform 6.0」を発表し、同日提供を開始した。新版では、軽量化と高速化を図った。サブスクリプション(購読)ライセンスの価格(税別)は、16コア当たり年額85万8000円から。開発会社は、米Red Hat。

 新版では、ソフトウエアアーキテクチャを作り変えることで、軽量化/高速化を図った。アプリケーションそのものを作り変えており、フル機能版とは別の軽量版のソフトウエア構成(プロファイル)を用意しているわけではない。このため、どのような機能を利用する場合であっても、軽量化/高速化の恩恵を受けられるという。

 軽量化では、簡単なアプリケーションであればメモリー50Mバイト程度で済むようにした。実際に同社では、ヒープサイズ上限64Mバイトの環境下(JavaVMの起動時オプションに-Xmx64mを指定)で、簡単なアプリケーションの配備と起動を確認したという。従来版では、最低でも百数十Mバイトを消費していた。一方、高速化では、起動時間を3秒以内にしたとしている。従来版では最低でも30秒はかかっており、10倍以上高速化した。

 新版ではこのほか、各種の機能強化を図った。Java規格は、現行最新のJava EE 6に全面的に準拠し、開発生産性を向上させた。例えば、CDI(Contexts and Dependency Injection、コンテキストと依存性の注入)により、インスタンスのライフサイクル管理を自動化できるようにした。また、JAX-WS(SOAP)に加えてJAX-RS(REST)型のWebサービスAPIを利用できるようにした。