富士通、NTTドコモ、NEC、富士通セミコンダクターの4社は2012年8月1日、通信制御用半導体を開発・販売する新会社を設立すると発表した。富士通が8月1日に設立した新会社「アクセスネットワークテクノロジ」にNTTドコモ、NEC、富士通セミコンダクターの3社が8月中に出資する。出資後の資本金は1億円で、出資比率は富士通が52.8%、NTTドコモが19.9%、NECが17.8%、富士通セミコンダクターが9.5%。

 通信制御用の半導体はこれまで、NTTドコモ、富士通、NEC、パナソニックモバイルコミュニケーションズの4社で共同開発してきた。2G/3G用の「UBB4」、LTE用の「SAKURA」に加え、GSMからW-CDMA、HSPA+、LTE(FDD/TDD)まで対応したオールインワンチップ(開発コード名:コスモス)を開発済み。新会社ではコスモスを中心に扱い、国内外の端末ベンダーに採用を促していく。製造は外部に委託する。

 通信制御用の半導体開発を巡っては昨年12月、NTTドコモが中心となって、富士通、富士通セミコンダクター、NEC、パナソニックモバイルコミュニケーションズ、韓国サムスン電子の5社と共同で新会社を設立する計画を発表。半導体の量産能力に優れ、アプリ用半導体の開発も手掛けるサムスン電子と組んで半導体大手の米クアルコムに対抗する狙いだったが、特許の扱いを巡って調整が付かず、4月に破談となった(関連記事:スマホ用無線チップの独自生産狙ったNTTドコモ・日韓メーカーの6社連合が頓挫)。今度は富士通の主導で世界に売り込んでいく考え。