写真1●IMail Server v12.1の画面(スマートデバイス用Webメール画面)
写真1●IMail Server v12.1の画面(スマートデバイス用Webメール画面)
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写真2●IMail Server v12.1の画面(タブ切り替えが可能なパソコン用Webメール画面)
写真2●IMail Server v12.1の画面(タブ切り替えが可能なパソコン用Webメール画面)
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 サイバネットシステムは2012年8月1日、メールサーバーソフトの新版「IMail Server v12.1」(写真1、写真2)を発表、同日販売を開始した。新版では、付属するWebメールを拡張し、スマートデバイス用に簡略化した画面を追加した。さらに、セキュリティ機能を強化した。価格(税込み)は、最小構成の25ユーザーで11万5000円。開発会社は、米Ipswitch。

 IMail Serverは、Windows Server上で稼働するメールサーバーソフトである。メールサーバーに求められる一般的な機能を一通り備える。メール送信/中継機能(SMTP)に加えて、受信したメールの格納ができる。格納したメールに対しては、POP3/IMAP4サーバー機能を提供し、別途メールソフトからメールを閲覧できる。さらに、Webメールソフトが付属する。

 新版では、Webメールソフトを拡張した。まず、スマートデバイス(スマートフォン/タブレット)向けに簡略化したWeb画面を追加した。Webブラウザーのユーザーエージェント情報などを判断し、パソコン用の画面とスマートデバイス用の画面の2種類を使い分ける。さらに、パソコン用のWeb画面も強化し、振り分け先フォルダーなどをタブで切り替えられるようにした。

 新版では、セキュリティも強化した。具体的には、二つの機能を追加した。一つは、メールアドレスが実在するかどうかを確認する攻撃への対策である。POP3/IMAP4のユーザー認証を連続で一定回数間違ったアカウントについて、該当ユーザーによるPOP3/IMAP4のコネクションを遮断したり、該当IPアドレスからのTCP接続を禁止したりできるようにした。

 もう一つは、迷惑メールの送信サーバーとして使われることを防止する対策である。一定時間内のメール送信数がしきい値を超えた場合に、これを検知して、メール送信数を制限できる。背景には、不正プログラム(ボットなど)がメーラーをそのまま利用して迷惑メールを送信しているという状況がある。この場合、メール送信時にユーザー認証(SMTP AUTH)を実施しても、パスワードが保存されていると認証に通ってしまう。

 なお、開発会社の米Ipswitchには日本法人(Ipswitch Japan)があるが、主要製品のうち法人向け製品であるIMail Serverについては、日本法人の設立当初から、日本法人ではなくサイバネットシステムが国内販売の1次店となっている。サイバネットシステムが吸収合併したケイ・ジー・ティーが、日本法人設立前における米Ipswitchの国内総販売代理店だったためである。