写真●東芝ソリューションの末永司クラウド&ソリューション事業部事業部長(写真:井上裕康)
写真●東芝ソリューションの末永司クラウド&ソリューション事業部事業部長(写真:井上裕康)
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 「情報化の進展、グローバル化、自然災害の大規模化など、企業をとりまく経営環境がここ数年間で大きく変わった。だからこそICTで貢献できることが数多くある」。2012年8月1日、都内で開催中の「日経BP Cloud Days Tokyo 2012 SUMMER CONFERENCE(CDT2012夏)」で講演した東芝ソリューションの末永司クラウド&ソリューション事業部事業部長はこう語る(写真)。

 末永氏は社会や企業組織がICTに望む対応策の一つとして、「ビッグデータ」、つまり大量データの管理を挙げる。「データを単に蓄積するだけでなく、データを分析し活用する局面が増えつつある。このため、大量のデータを保存できて、かつ活用もできる、という二つの要件を満たすストレージ技術が要求されている」(末永氏)。

 同社では、東芝グループが持つ半導体ストレージとハードディスク技術の両方を組み合わせたストレージ製品「ArrayFort」シリーズを提供している。「『ハイブリッド・ストレージ』の時代がやってきた。この時代には、ストレージの各要素技術を1グループ内で設計・開発できることが、イノベーションを支える強みとなる」と末永氏はアピールする。

 もう一つICTに望まれている対応策として挙げたのが、「スマートコミュニティ」に代表される、社会インフラの最適化。東芝グループは「横浜スマートシティプロジェクト」にかかわっている。このプロジェクトは国内で行われているスマートシティ実証実験の代表例である。東芝グループはグループ内で持つエネルギーやICTなど各種の技術を組み合わせて、同プロジェクトにおける電力消費のマネジメントシステムを構築している。

 東芝および東芝ソリューションはこのプロジェクトを踏まえて、「使用電力見える化クラウドサービス」を開発した。このクラウドサービスは電力使用量を自動で計測・集計し、組織単位や設備・機器単位で確認できるようにするもの。2011年度からサービス化し、すでに東芝グループの国内約80拠点に導入済みという。なお、このクラウドサービスはエコプロダクツ大賞推進協議会が主催する第8回エコプロダクツ大賞(2011年11月発表)において、エコサービス部門の「エコプロダクツ大賞特別賞(節電優秀賞)」を受賞している。

 「社会や企業経営の変化に伴い、ICTへの要請も変化してきている。だからこそ、クラウドをはじめとした最新技術が重要になる」と末永氏は最新技術に対する期待感の高まりを強調した。

■変更履歴
タイトルおよび本文で末永氏のお名前を誤って末長氏としていました。お詫びして訂正します。タイトルおよび本文は修正済みです。 [2012/8/2 19:45]