米Twitterは現地時間2012年7月31日、英紙ジャーナリストのアカウント凍結を巡る問題で謝罪の声明を発表した。問題のアカウントはすでに復旧している。

 アカウントが一時凍結されたのは英紙「Independent」のロサンゼルス支局に勤務するGuy Adams氏。英メディアの報道(BBC)によると、Adams氏は英国ロンドンで現地時間7月27日に始まった夏季オリンピック大会の開会式が、米国では視聴率が取れない時間帯だとして米NBCがこれをライブ中継せずに夜に録画放送したことについて、NBCオリンピック担当プレジデントのGary Zenkel氏に責任があると批判のコメントをTwitterに投稿。「Zenkel氏に意見を伝えよう」と同氏の電子メールアドレスを掲載した。すると7月29日、Adams氏はTwitterからアカウント凍結の通知メールを受け取った。

 Twitterでは通常、個人を特定可能な情報が投稿されているとの通報をユーザーから受けた場合、投稿者のアカウントを一時的に凍結し、Twitterのガイドラインに違反しているかどうか確認する。NBCは「あるユーザーが当社幹部の1人の個人情報を投稿したことをTwitterに苦情申請した」と述べている。

 しかしAdams氏は、掲載したZenkel氏の電子メールアドレスは個人用ではなくビジネス用で、既に公開されていたものであり、「Google」検索で30秒ほどで見つけたと説明している(Independentの記事)。

 Twitterは公式ブログで、「ビジネス用途の電子メールアドレスを個人情報として考えるべきかどうか多くの意見が寄せられた。仕事用の電子メールアドレスを私的な用事に使用している人は多い」と述べている。また、NBCが苦情を申請した経緯については、オリンピック関連でNBCと関わりがあるTwitterのTrust and SafetyチームがAdams氏のツイートを見つけ、Trust and Safetyのサポートに通報するようNBCに勧めたと説明。ユーザーからの通報を受ける前にツイートを監視するような行為を働いたことについて謝罪した。

 なお、アカウントが復旧した理由についてAdams氏は、「苦情申請者が撤回を求めたため」とのメールをTwitterから受け取ったという。

[発表資料へ]