写真●NECの川島勇 取締役執行役員兼CFO
写真●NECの川島勇 取締役執行役員兼CFO
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 NECは2012年7月31日、2013年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比5.6%減の6315億円。営業損益は79億円の赤字で、前年同期194億円の赤字から115億円改善した。当期純損益は179億円の赤字だった。

 セグメント別の売上高では、個人向けPC事業の非連結化のほか、携帯電話の出荷台数の落ち込みにより「パーソナルソリューション」セグメントが前年同期比27.8%の減収。「ITソリューション」「キャリアネットワーク」「社会インフラ」セグメントはそれぞれ増収だったが、全体としては減収となった。ただし、事業の非連結化の影響を除くと約1%の増収だったとした。

 構造改革による改善効果は60億円。2012年12月までの緊急措置として実施している一般従業員への給与カットが寄与した。

 通期の業績見通しは、売上高が前期比3.7%増の3兆1500億円。営業利益は同35.6%増の1000億円と据え置いた。記者会見した川島勇 取締役執行役員兼CFO(最高財務責任者)(写真)は、「現在の見通しを最低水準として、上積みしていきたい」と、今後に向けて抱負を語った。

 ルネサスエレクトロニクスへの支援については、「(ルネサスエレクトロニクスの)株主としてではなく、ビジネスパートナーとして安定的に製品供給を受けるための“保証金”という位置づけで差し出す」と話した。保証金は175億円。返済期限は設けるものの、具体的な日付は非公表。