写真1●東日本ビジネス支援ワークショップ
写真1●東日本ビジネス支援ワークショップ
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写真2●宮城県気仙沼市で7月11日に開催したワークショップ
写真2●宮城県気仙沼市で7月11日に開催したワークショップ
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写真3●ワークショップで作成された長谷川海苔店のホームページ
写真3●ワークショップで作成された長谷川海苔店のホームページ
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写真4●宮城県気仙沼市長 菅原茂氏
写真4●宮城県気仙沼市長 菅原茂氏
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写真5●左からグーグル Small&Medium Businessマーケティング統括部長 伊佐裕也氏、同 執行役員 マーケティング本部長 岩村水樹氏、気仙沼市長 菅原茂氏、早稲田大学環境総合センター主任研究員 W-BRIDGE運営委員 岡田久典氏
写真5●左からグーグル Small&Medium Businessマーケティング統括部長 伊佐裕也氏、同 執行役員 マーケティング本部長 岩村水樹氏、気仙沼市長 菅原茂氏、早稲田大学環境総合センター主任研究員 W-BRIDGE運営委員 岡田久典氏
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 グーグルは2012年7月31日、被災地の中小・中堅企業のWeb活用を支援する「東日本ビジネス支援ワークショップ」(写真1)を東北地方で開催すると発表した。同社のホームページ作成サービス「みんなのビジネスオンライン」で実際にホームページを作る教室を開き、インターネットを通じた被災地企業のアピールを支援する。8月から気仙沼市、大崎市、石巻市などの被災地で、月1~2回程度のペースで開催する。

 「みんなのビジネスオンライン」は、HTMLなどの知識がなくとも簡単にホームページを作成できるサービス。1年間は無料で、2年目以降は月額1470円で利用できる。独自ドメインの取得や、ショッピングカートの設置も可能。

 ワークショップは、この「みんなのビジネスオンライン」で、実際にホームページを作成するもの。すでに2012年7月11日、宮城県気仙沼市で試験的なワークショップを開催した(写真2)。36人が参加し、カネヒデ吉田商店長谷川海苔店写真3)、フジNETサービスといった企業や店舗のホームページが立ち上がった。

 発表会で挨拶した宮城県気仙沼市長 菅原茂氏(写真4)は「気仙沼は震災直後大規模な火災に襲われて全滅したと思われ、ご心配をかけた。1年4カ月たって、ようやく、Web活用のような取り組みが市民に受け入れられるようになってきた」と、被災地が産業復興のフェーズに入ってきたと語る。

 ただし、「被災地の多くが震災前から産業は右肩下がりだった。震災によって地域の基礎が大きく損なわれ、さらにたいへんな状況になっている。復興どころか復旧もおぼつかないのではないかという危機意識を持っている」(菅原氏)という。

 しかしその一方で、今までの殻を破ろうという考えの人たちも出てきていると菅原市長は言う。「すべてが失われたから、まっさらから作り直す。そのことで作るものの品質も、コストも改善される」(菅原氏)。

 問題は販路だ。「震災で多くのお客さんを失った」(菅原氏)。答えは「売り方を変える。売り先を変える。付加価値を変える。一人ひとりがイノベーションを起こしていく」こと。それが創造的復興だと菅原氏は言う。

 7月17日に行われたワークショップは、この創造的復興のための大きな機会になったという。「気仙沼の人たちもホームページは持っている。しかしアクセスされていなかった。インターネットのプロに、全国にアピールするためのアドバイスをいただいた」(菅原氏)。

 グーグル Small&Medium Businessマーケティング統括部長 伊佐裕也氏は「我々に何ができるのかという不安もあったが、実際にやってみて、ささやかだが役に立てると実感できた」と語る。

 ワークショップは、早稲田大学とブリヂストンの共同研究プロジェクトであるW-BRIDGEと連携して行う(写真5)。W-BRIDGEは、環境保護などの活動を行なっているプロジェクト。ワークショップには、プロジェクトの学生などがチューターとして参加する。

 グーグルでは「対象地域のWebサイト活用率が、全国平均を上回るようになること」を目標に掲げている。

■変更履歴
第10段落および写真5の説明で「W-Bridge」としていましたが、「W-BRIDGE」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2012/08/01 16:11]