OSSコンソーシアムは2012年7月31日、「opensource COBOL」をオープンソースソフトウエアとして無償公開した。オープンソースのCOBOLコンパイラ「OpenCOBOL」を、SJISや¥記号への対応など「日本のビジネスシーンで利用できるようカスタマイズした」(OSSコンソーシアム)としている。

 OpenCOBOLは、日本医師会が配布しているオープンソースの診療報酬計算ソフト「日医標準レセプトソフト」のために開発されたCOBOLコンパイラ。OpenCOBOLを開発したのは、日医標準レセプトソフトの開発会社であるネットワーク応用通信研究所に在籍していた西田圭介氏。現在はドイツ在住の技術者がOpenCOBOLの管理者となっている。また、長崎県で実施中の、汎用機の業務システムをLinux上にダウンサイジングするプロジェクトでもOpenCOBOLが採用されている(関連記事)。

 opensource COBOLは、OpenCOBOLに「SJIS(シフトJIS)」対応や「¥」通貨記号対応、ASSIGN EXTERNALオプション、ユーザファイルハンドラ指定の環境変数といった拡張を施したもの。「本家OpenCOBOLの開発があまり活発でなく、改良コードを提供してもなかなか取り込んでもらえないことと、日本独自の環境のものは、ローカライズしてメンテナンスしていく必要があるため、opensource COBOLとして独立させた」(OSSコンソーシアム)という。

 opensource COBOLを開発したのはOSSコンソーシアムのオープンCOBOLソリューション部会。ランカードコム、日立ソリューションズ、東京システムハウスなどが参加している。SJIS対応などは東京システムハウス、¥記号対応はランカードコムが開発した。

 opensource COBOLはOSSコンソーシアム オープンCOBOLソリューション部会のページからダウンロードできる。GPL(GNU General Public License)およびLGPL(GNU Lesser General Public License)で配布されている。