写真●Parasoft Virtualizeの画面
写真●Parasoft Virtualizeの画面
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 テクマトリックスは2012年7月30日、システム開発におけるテスト工程を省力化することを目的に、システムの接続先となるデータベースやWebサービスなどを模倣した仮想的なテスト環境を構築するためのミドルウエア「Parasoft Virtualize 9.3」(写真)を発表、同日販売を開始した。価格(税別)は1日当たりの発行クエリー数に応じて変わり、1日1万クエリーまでの最小構成で年額375万円。開発会社は、米Parasoft。

 Parasoft Virtualizeは、開発中のシステムが接続する外部システムを模倣するスタブ(代理サーバー)を自動生成するソフトである。スタブにアクセスすることで、実システムを使わずにテストができるようになる。アプリケーションから外部システムへの接続要求をParasoft Virtualizeが受けるかたちで運用する。Parasoft Virtualizeは、必要に応じて実システムに接続して結果を収集したり、実システムを模倣したレスポンスを返したりする。

 Webアクセス、メッセージング(MQ、JMS)、データベースアクセス(JDBC)など、実システムに対する実際のトランザクションをキャプチャ/モニターして、仮想的な接続先システムを自動的に構成する。この際、テストに必要なレスポンスに限って模倣する。また、実環境のシステムが存在しない場合は、XMLスキーマやWSDL(Webサービス定義)などの定義ファイルを元に、期待される動作をモデル化する。

 仮想的なテスト環境は、システム構成を模したGUI画面上で、アイコン同士を線でつなぐことで簡単に設計/再現できる。これにより、1台のParasoft Virtualizeサーバーが、複数の外部システムとして振る舞うようになる。

 機能テスト用の環境に加えて、負荷テスト用の環境も構築できる。機能テストにおいては、実システムでは再現が難しい異常系のテストも、異常系の結果を返す仮想システムを接続先に指定するだけで簡単に実施できる。一方、負荷テストでは、トランザクションに対してレスポンスの処理時間を設定できるので、現実と同様の負荷を再現できる。

 稼働OSは、LinuxまたはWindows(Windows 2000/XP/Vista/7、Windows 2000 Server、Windows Server 2003/2008)。