米Appleが米Twitterへの戦略的投資について同社と協議していたと、複数の米メディアが現地時間2012年7月27日に報じた。交渉があったことを最初に報じた米New York Timesは、交渉の時期について「過去数カ月のあいだ」としている。一方、米Wall Street Journalは「1年以上前のこと」であり、なんら合意に至らなかったとしている。いずれも、現在は両社が交渉していないことを確認している。

 New York Timesが報じた関係者の話では、AppleはTwitterの企業価値を100億ドル以上と判断し、数億ドルの投資を検討したという。Twitterは2011年時点で時価総額84億ドルと見積もられている。

 Appleはスマートフォンおよびタブレット端末市場では大きな成功を収めているものの、モバイル端末使用に大きな影響を与えるソーシャルネットワーキング分野での足がかりは少ない。AppleのTim Cook最高経営責任者(CEO)は最近の技術会議で「Appleが独自のソーシャルネットワークを持つ必要はない。しかし、Appleがソーシャルである必要があるかというと、答えはイエスだ」と発言した。AppleとTwitterはすでに協力関係にあるが、米Googleや米Facebookといったライバル企業に対抗するために両社がいっそう関係を強化する可能性があるとNew York Timesは指摘している。

 なお、Wall Street JournalがTwitterに近い人物から得た情報によると、Twitterの2012年売上高は昨年想定した目標を上回る見込みであり、早ければ1年ほどでIPOを実施する可能性に向けて事業の確立を進めている。