米IDCが現地時間2012年7月26日に公表した世界のスマートフォン市場調査によると、同年第2四半期(4~6月)における出荷台数は、1億5390万台となり、前年同期の1億830万台から42.1%拡大した。これに対し、携帯電話全体の出荷台数は4億600万台と、同1%増にとどまった。

 IDCによるとスマートフォンの42.1%という伸び率は、2009年第4四半期以降で最も低い水準。経済危機への懸念が市場の成長見通しを不安定にしているという。メーカー各社は欧州圏で販売に力を入れているが、今のところ効果は表れていない。新興国市場は引き続き好調だが、欧州各国の減少分をどこまで補えるかは不透明という。

 メーカー別のスマートフォン出荷台数を見ると、韓国Samsung Electronicsが前年同期比172.8%増の5020万台となり、2位のAppleとの差を広げた。Samsungのシェアは前年同期の17%から32.6%に拡大した。Appleの出荷台数は前年同期比27.5%増の2600万台で、シェアは同18.8%から16.9%に低下した。

 この上位2社にフィンランドNokia、台湾HTC、中国ZTEが続いた。このうちNokiaの出荷台数は前年同期から38.9%減の1020万台。HTCは同24.1%減の880万台となった。一方ZTEは800万台と台数は少ないものの、前年同期から300%増と上位5社の中で最も高い伸びを示した。

 IDCによると、Samsungは旗艦モデル「Galaxy S III」のリリースに加え、Appleの新製品発売サイクルの合間という恩恵を受けてシェアを拡大した。またスマートフォン/タブレットのハイブリッド端末「Galaxy Note」も好調で、四半期ベースで初めて5000万台の大台に乗った。

 一方Appleは新製品の市場投入が年1回であることから、リリース後の2四半期は出荷台数が伸び、残り2四半期は減少する傾向にある。2012年第2四半期もそのパターンに一致しているとIDCは見ている。そうした中、Appleは小規模の地域通信事業者やプリペイドサービス事業者にも販路を広げており、健闘しているという。

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