写真●会見の冒頭で謝罪するNTTドコモの加藤薫社長
写真●会見の冒頭で謝罪するNTTドコモの加藤薫社長
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 NTTドコモの加藤薫社長(写真)は2012年7月27日、同社の第1四半期決算の会見で、同月25日に発生したスマートフォン向けのサービス「spモード」の各種設定のトラブル(関連記事)について謝罪するとともに、現時点での調査結果を報告した。

 今回のトラブルは、メールの認証システムそのものに根本的なミスがあった2011年12月の障害(関連記事)と異なり、他人のメールアドレスや無線LANなど各種設定情報が表示される、場合によってはこれらの設定を変更できてしまうというものである。加藤社長は「前回のような本来のメールをやり取りする部分の障害ではなく、各種設定のトラブルではあるが、ご迷惑をおかけしたのは同じ。影響範囲は1000人弱と捉えている。現在はトラブル対象となったユーザーを特定し、個別対応を進めることを最優先している」と話した。

「初期設定のパスワード変更を呼びかけていく」

 今回のトラブルの原因は、現在究明中で、まだ一部、分かっていない部分もあるという。「各種設定情報を司るサーバーのソフトウエアを更新する際、そのソフトウエアに不具合があったようで、ある部分のテーブルのデータが違う値になってしまった」(加藤社長)。

 テーブルのデータが違う値になったことで、別人の各種設定情報が表示される事態を招いてしまった。加藤社長は「なぜデータが違ってしまったのか、それを事前にチェックできなかったのかを引き続き調査している」と続け、一部で人為的なミスがあった可能性も示唆した。

 今回のトラブルは、各種設定の変更用パスワードが、たまたま他人のものと一致した場合、実際に設定を変更できるようになっていた。ここで初期設定の4桁のパスワード「0000」をそのまま利用しているユーザーが多かったことが、被害を広げた側面がある。

 加藤社長は「初期設定のパスワードを『0000』のまま使っているユーザーは過半数を超えると聞いている。今後は折に触れて、初期設定のパスワードのまま利用しないように、社としてアピールしていきたい」と話した。

[「spモード各種設定」のトラブルに関するお知らせ]