日本ストラタステクノロジーは2012年7月26日、サーバー仮想化ソフトを用いることで比較的安価に高可用性クラスタリングを実現するソフトの新版「Stratus Avance 3.0」を発表した。7月末に出荷する。新版では大手ベンダーの最新のPCサーバー機と組み合わせて利用できるようにしたほか、スナップショット機能を追加した。開発元は米ストラタステクノロジー。

 Avanceは、サーバー機の可用性を高めるHA(高可用性)クラスタリングソフトである。本番稼働中のサーバー機に障害が起こった際に別のサーバー機で処理を引き継ぐフェールオーバー処理を実現する。最大の特徴は、HAの実現手段として、仮想サーバー機のイメージを物理サーバー間で移動するライブマイグレーション機能を利用する点である。最大で24台の仮想サーバーを保護できる。

 HAクラスタリング化の具体的な方法は、システム障害を監視/予見する機能とライブマイグレーションを組み合わせるというもの。ハードウエアの稼働状況を監視し、ハードウエアの故障を予見した場合に、これから故障するサーバー機の上で稼働している仮想サーバー機を、もう1台の健康な物理サーバーへと移動させる。サーバー仮想化ソフトとしては、米シトリックス・システムズのXenServerを利用する。

 新版では、直近のPCサーバー環境で利用できるように、Xeon E5-2600(8コア)環境で動作するようにした。動作を保証しているPCサーバーのベンダーは、米デル、米ヒューレット・パッカード、米IBMの3社。この3社のXeon E5-2600搭載サーバー(全10モデル)を、新たに動作保証の対象とした。新版ではまた、新機能として、稼働中の仮想サーバーのコピーを取得するスナップショット機能を追加した。

 価格(税別)は、1システム(物理サーバー2台)分のソフトウエアライセンスが126万6000円。これとは別に、保護対象となる仮想サーバーやAvanceを動作させるプラットフォームとして、物理サーバー2台が必要になる。Avanceの販売代理店各社は、Avanceと物理サーバー2台を組み合わせたシステム製品をユーザーに提供している。

■変更履歴
公開当初、第1段落で製品名のスペルを誤っていました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2012/7/30 12:50]