写真1●日商エレクトロニクス マーケティング本部第二プロダクトマーケティング部部長の榎本 瑞樹氏
写真1●日商エレクトロニクス マーケティング本部第二プロダクトマーケティング部部長の榎本 瑞樹氏
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写真2●米Pica8 CEOのJames Liao氏
写真2●米Pica8 CEOのJames Liao氏
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写真3●日商エレクトロニクス マーケティング本部第二プロダクトマーケティング部第一グループの坂田 義和氏
写真3●日商エレクトロニクス マーケティング本部第二プロダクトマーケティング部第一グループの坂田 義和氏
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 日商エレクトロニクスは2012年7月25日、米Pica8のOpenFlow対応スイッチ「Prontoシリーズ」の販売を開始した。Prontoシリーズは、仮想スイッチのOpen vSwitch(OVS)を搭載したL2/L3(レイヤー2/レイヤー3)スイッチ。主な想定ユーザーはクラウドサービス事業者である。なお同スイッチはエヌ・シー・エル・コミュニケーション(NCLC)も4月に国内販売を開始している(関連記事)。

 今回、Pica8と販売代理店契約を結んだ理由について、日商エレクトロニクス マーケティング本部第二プロダクトマーケティング部部長の榎本 瑞樹氏(写真1)は「OpenFlowによって、サーバーの仮想化と同様のことがネットワークでも起こる。ネットワーク機器がコモディティーしていく時代が来る。それを見越してPica8と契約した」と説明する。さらに「Pica8は(前身の)プロントシステムズの時代からいち早くOpenFlow 1.0に対応し、米ニシラなど他ベンダーとの相互接続も検証済み。(市販チップの)Trident+とオープンソースのXORPlusを使うことによるスケールメリットによって、既存のL2/L3スイッチと比べて20%~50%のコストダウンが可能になった」(榎本部長)と製品の優位性を強調した。

 Pica8のProntoシリーズは、汎用的なハードウエアプラットフォームのうえで必要なネットワーク制御ソフトを稼働させるという、いわゆる「ホワイトボックス」的なスイッチである。今回の発表に合わせて来日した同社CEOのJames Liao氏(写真2)はProntoシリーズの製品ラインナップについて次のように紹介した。「ハードウエアとしてみると非常にシンプルで、ギガビットイーサネットスイッチ、10ギガビットイーサネットスイッチ、そして40ギガビットイーサネットスイッチだ。一方のソフトウエアではL2/L3の主要なプロトコルをサポートし、IPv6にも対応している。OpenFlow関連では仮想スイッチとしてOVS 1.4.1をサポートするほか、(OVS同士をつなぐ)トンネリングプロトコルとしてGREなどに対応している」(Liao氏)。

 また現行製品はOpenFlowの最初の仕様であるバージョン1.0対応だが、バージョン1.2以降の仕様にも順次対応していくという。「現在、OpenFlow 1.2への対応作業を進めており、完成度は約80%といったところ。年末には1.2対応製品を出荷する予定だ。その後は1.3に対応していく」(Liao氏)。

 日商エレクトロニクスは今後、クラウドサービス(IaaS)事業者を主なターゲットとして、今回のProntoシリーズと、既に提供中のニシラのNVP(Network Virtualization Platform)を組み合わせたネットワーク仮想化ソリューションを提供していく。このソリューションを利用することで、「ユーザー企業が自社のオフィスで組んでいる物理ネットワークを、事業者のデータセンターにある仮想サーバーの仮想ネットワークとして実現する。ユーザーは、使いたいときだけセルフポータルで必要な分のネットワークを作れるようになる(日商エレクトロニクス マーケティング本部第二プロダクトマーケティング部第一グループの坂田 義和氏、写真3)という。

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