写真1●レッドハットの廣川裕司氏(代表取締役社長)
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写真2●レッドハットの西村哲也氏(執行役員 クラウド・仮想化・ストレージ事業本部長)
写真2●レッドハットの西村哲也氏(執行役員 クラウド・仮想化・ストレージ事業本部長)
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 レッドハットは2012年7月25日、米国で提供中のストレージソフトウエア「Red Hat Storage Server 2.0」の国内販売とサポートを開始すると発表した。分散ストレージ技術「GlusterFS」を統合しており、汎用のx86サーバーとディスク装置を利用して、スケールアウト型のストレージシステムを構築できる。専用ストレージ製品に比べて安価になることを売り物に日本でもストレージ市場に参入する。

 レッドハットの廣川裕司氏(代表取締役社長)は、「ファイルストレージ市場は、OSと同じくらいの市場規模があり、今後も成長していく。そこに今日から参入する」と述べた(写真1)。レッドハットの西村哲也氏(執行役員 クラウド・仮想化・ストレージ事業本部長)は「国内のストレージソフトウエア市場において、3年以内にリーダーポジションをとる。専任営業チームを新設するなど体制も整えている」と語った(写真2)。EMC Isilon、NetAppといったハイエンドNAS製品の代替ソリューションと位置づける。現状ではソフトウエアのみだが、今後パートナーと協業してハードウエア一体型製品の提供も検討していくという。

 Red Hat Storage Serverは「GlusterFS」のほか、OSの「Red Hat Enterprise Linux」、管理ツールの「Red Hat Storage Console管理ステーション」などで構成する。サブスクリプション料金は130万円(2ノード、1年間)から。オンプレミス、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド(オンプレミスとパブリッククラウドの混在)の各環境に対応する。物理サーバーは2ソケットCPUのx86サーバーを推奨。50種類以上のサーバー製品をサポートする。パブリッククラウドサービスとしては、Amazon Web Serviceのほか、Red Hat Enterprise Virtualization、VMwareの仮想化環境を使ったクラウドサービスをサポートする。

 GlusterFSは、2011年に米Red Hatが買収した米Glusterが開発したオープンソースの分散ストレージソフトウエア(関連記事:「クラウドとオンプレミスを統合」、Red HatがハイブリッドIaaSと分散ストレージ新版)。ファイルなどのデータは、複数のノードに分散して記録されるほか、別のノードにデータの複製を保存する冗長化が可能。NFSやCIFSなどのプロトコルでアクセスするNASとして利用できるほか、RESTFULなどでアクセスするオブジェクトストレージとしても利用できる。