米VMwareは現地時間2012年7月23日、ネットワーク仮想化の米Niciraを10億ドル超で買収することで両社が最終合意に達したと発表した。これによりVMwareはクラウド向けネットワーキング製品のポートフォリオ拡充を図る。

 VMwareはNiciraに約10億5000万ドルを現金で支払うほか、約2億1000万ドル相当の従業員向け株式報酬を負担する。両社の取締役会およびNiciraの株主はすでに同買収を承認しており、2012年後半に手続きを完了する見込み。

 Niciraは2007年に設立され、カリフォルニア州パロアルトに本拠を置いている。同社のネットワーク仮想化プラットフォーム「Nicira Network Virtualization Platform(NVP)」は物理ネットワークから完全に独立した、柔軟な拡張性と豊富な機能を備える仮想ネットワークの構築を可能にする。さまざまなベンダーのネットワークハードウエアや、各種のハイパーバイザーに対応する。米AT&T、米eBay、米Rackspace、米Fidelity Investments、NTTなどがNVPを採用しているという。

 VMwareはNiciraソリューションのオープン性を維持し、さまざまなクラウド環境に向けた付加価値および選択肢の強化にも取り組むとしている。

 またVMwareが同日発表した2012年第2四半期の決算は、売上高が前年同期比22%増の11億2000万ドル、会計原則(GAAP)ベースの純利益は同13%減の1億9200万ドル(希薄化後1株当たり利益は0.44ドル)、営業利益は同13%増の2億1200万ドルだった。

[発表資料(買収)]
[発表資料(決算)]