図●東京と大阪のデータセンター間でシステムを二重化する
図●東京と大阪のデータセンター間でシステムを二重化する
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 ヤマトホールディングスは2012年7月中に、CPUやメモリーなどを顧客の必要に応じて提供するIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)に参入する。IaaS上に業務システムを構築することで、従来の企業内に構築するオンプレミスの場合と比べて導入期間を3分の1に短縮できる。

 今回のサービスは傘下のヤマトシステム開発が「クロネコデータセンタークラウド(IaaS)」として提供する。東京と大阪にある同社のデータセンターを活用し、システムを二重化()。非常時にも重要な事業に絞って業務を継続したり、早期に復旧したりするBCP(事業継続計画)を強化できる。

 利用料金は月額30万円(現用系ディスクが300Gバイト、待機系150Gバイトなど)から。宅急便を運営する情報インフラの余ったリソースを活用することで、提供コストを抑えた。これまで二重化などのデータの保全性対策が解決できず、クラウドの導入を見送っていた中堅企業にも導入を働きかける。

 ヤマトシステム開発には顧客企業からクラウドコンピューティングを採用したいとの声が増えている。セキュアトレースカンパニーの荒金悟プレジデントは「次回のリース更新時には検討したいという声が多くなってきた」と話す。既存顧客企業を中心に2014年度に約100社の獲得を目指す。