サイアメントは2012年7月20日、設立キックオフセミナーを開催した(写真1)。同社は、瀬尾拡史氏が「サイエンスを、正しく、楽しく」をキャッチフレーズに設立したベンチャー企業で、科学の専門知識を基に映像や画像を作成することが主事業である。これまでのサイアメントは、プロダクションブランドとして活動してきたが、2012年5月に法人化された。
セミナーでは、瀬尾氏が企業設立の背景を解説した。出発点は、中学2年生に見たNHKのテレビ番組であり、映像の力によって知識がなくても遺伝子が理解できることに感動したことだった。そこから、将来は専門知識に基づいて映像表現できる事業を始めたいと考えたのだという。その後同氏は、この事業を始めるために東京大学の医学部に入学、医療を学びながら、デジタルハリウッドスクールにも通ってコンピュータ・グラフィックス技術を習得した。
瀬尾氏は、学生時代も含めてこれまで手がけた作品をいくつか紹介した。
「科学分野に強いクリエーターを育てる」
例えば、法医学分野では、文字情報だけで伝えにくい「刃物がどこから体に入って、体内でどう動いたのか」といった内容を分かりやすく表現できることを解説。
このほか、展示会でのポスター、立体視映像、タブレット端末用の気管支の可視化アプリなどを紹介し、医療、メディア、学術分野など様々な顧客が想定されることを説明した(写真2、写真3)。
さらに、今後の展望として、セミナーなどを通じて医療系の人とCGの専門家が交流できる場を提供する、科学分野に強いクリエーターを育てる、などを表明した。
セミナーには、ディスカバリー・ジャパン元会長の沼田篤良氏、日本医師会副会長の今村聡氏も登壇し、映像業界、医療業界からサイアメントへの期待を語った。