写真●NEC製の「M2Mモジュール」。センサー類の制御やデータ収集・発信などの機能を1基板に集約
写真●NEC製の「M2Mモジュール」。センサー類の制御やデータ収集・発信などの機能を1基板に集約
[画像のクリックで拡大表示]

 NECは2012年7月20日、製造業向けM2M(マシン・ツー・マシン=機械間通信)ソリューション「CONNEXIVE(コネクシブ)」を拡充すると発表した。M2M技術の活用によりアフターサービス強化を狙う顧客企業に向けて、コンサルティングやトライアル環境、基盤・業務アプリケーションなどの一貫型のサービスを同日から提供開始する。ターゲットはオフィス機器や大型機械・装置などを製造する企業で、今後3年間で50社への提供を目指す。

 新サービスでNECは、顧客企業がM2Mの導入・事業化に向けて考慮するべき課題を明確化し、定性・定量効果を見積もるコンサルティングを実施する。必要なシステム機能や実現方式も立案。顧客企業がM2Mを海外展開していく意向である場合は、各国の電波利用や情報取得など法令に適合するための具体策を提示する。

 その後のシステム構築段階でNECは、センサー類の制御、情報収集、無線通信といった機能を備え、顧客企業の製品に組み込める「M2Mモジュール」(写真)を提供する。この仕組みで集約したビッグデータを分析するためのサーバー類やクラウド環境なども含めた一気通貫のシステムも提案する。(関連記事:NEC、ビッグデータ活用に関するコンサルサービスを提供開始

 一般に製造業では、機械・装置の製造販売だけではなく、高付加価値型のアフターサービスで事業機会を拡大する重要性が増している。例えば、修理部品や消耗品を販売したり、未然に故障可能性を予知して修理を促したりするなどのアフターサービスだ。

 そこでM2Mソリューションを活用して販売済み製品の稼働状況を把握したり、修理に必要な情報を事前に取得したりして分析・活用すれば、事業機会の拡大やコスト削減につなげられる。特に、建機など耐用期間が長い製品で、こうした手法の活用が広がっている。(コマツの関連記事日立建機の関連記事ダイキン工業の関連記事

[NECの発表資料へ]