米マイクロソフトは2012年7月19日、Webブラウザー上で無料で使えるOfficeのWebアプリケーション版「Office Web Apps」の次期版について、プレビューを始めた。7月16日(米国時間)には、次期版Officeのプレビュー版(ベータ版相当)として、「Office Professional 2013 プレビュー」(以下、Office 2013)などを公開しており、これに合わせた形だ(関連記事)。クラウドサービスとして順次展開するため、ユーザーごとに利用可能になるタイミングは異なるが、同社のオンラインストレージ「SkyDrive」上で利用できる。ここでは、Office Web Appsに含まれる「Word Web App」(以下、Word)、「Excel Web App」(以下、Excel)、「PowerPoint Web App」(以下、PowerPoint)について、進化のポイントを見ていこう。目玉は、編集機能の強化と、タッチ操作への対応だ。

Wordでページレイアウト表示の編集が可能に

 Office Web Appsは、パソコン版のOfficeに比べて、簡易的な編集機能しか持たない。それは次期版でも変わらないが、利用できる編集機能が大幅に増える。特に強化されたのが、WordとPowerPointだ。

 これまでWordでは、編集時にページのレイアウトが再現されず、また図や画像などのオブジェクトは[図]といった文字列に置き換えられてしまい、基本的な文字編集しか事実上できなかった。それが次期版では、編集時にもページのレイアウトを再現し、図や画像も表示されるようになった。テキストの回り込みが完全に再現できず、Web上で設定することもできないなど不十分な点はあるが、従来に比べると、編集時の不便さは解消されるだろう。

従来のWord Web Appの編集画面。図や画像は[図]などの文字列に置き換えられ、ページレイアウトのイメージは再現されなかった
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次期Word Web Appのプレビュー版。画面がページのイメージに変わったほか、図や画像も表示されている。画像の左右にテキストを回り込ませるような複雑なレイアウトはできないが、元の文書に近いイメージで編集できる
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