写真●HP B6200 StoreOnce Backup Systemの外観
写真●HP B6200 StoreOnce Backup Systemの外観
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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2012年7月19日、重複排除ストレージ「HP StoreOnce」のオプションとして、重複排除機能をバックアップソフト側にオフロードするソフトウエアモジュールを発表、同日販売を開始した。同様の仕組みを持つ米EMC製品との比較では、「ストレージやバックアップサーバーだけでなく、業務サーバー上でも重複を排除できる」(同社)という。

 専用のソフトウエアモジュールを、バックアップソフトと同一のサーバー機に導入し、これらを連携させる。これにより、ストレージが備える重複排除プロセスの一部を、バックアップソフト側にオフロードする。連携可能なバックアップソフトは、米HP製の「HP Data Protector software 7」(関連記事)と、米Symmantecのソフトウエア連携機構であるOST(OpenStorage Technology)搭載ソフト(「NetBackup」と「Backup Exec」)である。

 バックアップソフトにHP Data Protectorを使う場合は、管理サーバー(バックアップを一元管理するサーバー)だけでなく、バックアップ対象サーバー(バックアップする業務データにアクセスするエージェント)に対しても、ストレージの重複排除機能をオフロードできる。一方、米Symantecのバックアップソフトを使う場合は、ストレージの重複排除機能をオフロードする先が、管理サーバーに限られる。

 「サイロ化された重複排除バックアップを一つにまとめる」と特徴について説明するのは、HPストレージ事業本部製品マーケティング部長の宮坂美樹氏。「これまで個々のバックアップ製品やストレージ製品ごとに独立していた重複排除機能を、一つの仕組みに一元化できる。単一の仕組みで、バックアップとリストアができる」(同氏)。

 価格(税別、以下同)は、HP Data Protector用の「TC397AE HP B6200 StoreOnce Catalyst DP E-LTU」と、Symantec用の「TC396AAE HP B6200 StoreOnce Catalyst OST E-LTU」ともに、300万円。いずれも、StoreOnceのハイエンドモデル「HP B6200 StoreOnce Backup System」(写真)のオプションとして提供する。B6200の価格は、2ノード最小構成(32Tバイト)で2000万円。

EMC製品との差異を強調

 日本HPでは、ストレージの重複排除プロセスをバックアップソフトにオフロードする技術コンセプトを「StoreOnce Catalyst」と呼んでブランディングしている。ライバルである米EMC製品(バックアップ対象サーバー側で重複を排除するAvamarと、重複排除のオフロード機能を持つ重複排除ストレージのData Domain)と比較した優位点として「ストレージの重複排除プロセスをバックアップ対象サーバー側にオフロードできる」(同社)ことを強調する。

 StoreOnce Catalystのためのオプションソフトを用意するストレージは、当初はハイエンドモデルのB6200に限られる(2012年内に、StoreOnceシリーズを構成する他のクラスの重複排除ストレージでも利用できるようにする)。B6200使用時のバックアップ性能は、StoreOnce Catalystを使わない場合(ストレージ側だけで重複を排除した場合)に1時間当たり最大40Tバイト、StoreOnce Catalyst使用時に1時間当たり最大100Tバイトという。

 機能に加えて、性能面でも、同社は米EMCを意識する。「Data Domainの場合、容量は拡張できるが、性能はモデルごとに決まっている。一方で、B6200はスケールアウト型であり、容量と性能を拡張できる」(同社)。