徳島県の産官学によるオープンソースソフトウエア(OSS)の推進団体「とくしまOSS普及協議会」が2012年7月17日、発足した。同日、徳島市で設立総会(写真1)が開催され、会長に四国大学教授の山本耕司氏、副会長に徳島県情報産業協会 会長の外山邦夫氏と徳島県 経営戦略部長の豊井泰雄氏が選出された。事務局は徳島県 経営戦略部情報システム課が担当する。
協議会の目的は、OSSによる情報システム最適化の推進と、それによる産業振興である。「徳島県ではこれまで、情報システムの最適化と運用コストの削減を図るため、国産のプログラミング言語Rubyを活用したシステムを、県内の情報関連企業と共同で開発、運用しており、その成果を県内外に広く情報発信することにより、多くの自治体等から高い評価を受けている(中略)このチャンスを最大限に生かすため、OSSを活用できる技術者や情報関連企業の育成・支援に取り組むとともに、OSS等による情報システム導入の効果を県内のユーザー企業・団体等にも広く普及し、その成果を、全国へと発信することにより、本県産業の振興や雇用の促進、地域活性化に繋げていく」(設立趣意書より)。設立総会に続いて行われた記念講演会では、徳島県知事の飯泉嘉門氏(写真2)が挨拶。島根県の産官学によるOSS推進団体 しまねOSS協議会副会長で島根大学 教授の野田哲夫氏(写真3)と、オージス総研 エンタープライズオープンソースセンター シニアアーキテクト 橋本誠氏(写真4)による講演が行われた。また、とくしまOSS普及協議会のロゴ(写真5)が披露された。
徳島県のホームページ管理システムやグループウエアは、県内の企業がRubyやLinuxなどのOSSを利用して開発し、「自治体OSSキット」として公開している。自治体OSSキットはホームページ作成/グループウエア・ソフトの「Joruri」、オンラインストレージ・ソフトの「DECO」、内部統制管理ツールの「Ai」などで構成される(関連記事)。Joruriを開発した徳島県の企業アイ・ディ・エスは、阿波市や徳島大学などのホームページのリニューアルなどを受注している。
また徳島県はOpenOffice.orgを庁内の標準オフィスソフトとして採用している(関連記事)ほか、長崎県がOSSとして公開した県庁システムも導入している(関連記事)。とくしまOSS普及協議会の役員は以下のとおり。
会長 山本耕司氏 四国大学教授
副会長 外山邦夫氏 社団法人徳島県情報産業協会会長
副会長 豊井泰雄氏 徳島県経営戦略部長
幹事 一宮省一氏 財団法人e-とくしま推進財団専務理事
幹事 金岡真由美氏 日本システム開発常務取締役
幹事 近藤紳一郎氏 スタンシステム代表取締役
幹事 篠原靖典氏 徳島文理大学教授
幹事 曽根直人氏 鳴門教育大学准教授
幹事 東條正幸氏 公益財団法人とくしま産業振興機構経営支援部長
幹事 野原直一氏 アイ・ディ・エス取締役社長
監事 上田哲史氏 徳島大学教授
監事 町田寿人氏 阿波市総務部次長兼総務課長
事務局 徳島県経営戦略部情報システム課
とくしまOSS普及協議会ホームページのURLはhttp://www.tokushima-oss.org/。
とくしまOSS普及協議会ホームページのURLを追記しました。 [2012/07/19 12:27]