米Yahoo!は現地時間2012年7月16日、同社の最高経営責任者(CEO)兼社長に米GoogleのMarissa Mayer氏を任命したと発表した。Mayer氏は17日付で同職に就任し、Yahoo!の取締役会にも加わる。

 Mayer氏はGoogle創業当時からのメンバーで、同社20番目の社員。1999年にGoogleで初めての女性エンジニアとして入社して以来、画像/書籍/商品検索や「iGoogle」「Google News」「Gmail」といったサービスを手がけてきた。技術カンファレンスの講演者にも頻繁に選ばれるなど“Googleの顔”として知られる人物で、2010年からは、「Google Maps」や「Google Earth」などのサービスを統括する「Local, Maps and Location Services」部門の副社長を務めていた。

 一方、Yahoo!では、2011年9月にCarol Bartz元CEOが突如解任された後、Scott Thompson氏が2012年1月にCEOに就いたが、5月に同氏が学歴詐称問題で解任された後はRoss Levinsohn暫定CEOの下、経営改革を進めながら正式なCEOを探していた(関連記事:米Yahoo!、学歴詐称問題でCEOを解任、Third Pointから3人が取締役に)。

 米New York Timesによると、Mayer氏がGoogleに辞任を申し出たのは現地時間7月16日の午後。その翌日からYahoo!のCEOに就任するという突如の移籍となったと同紙は伝えている。Mayer氏は同紙のインタビューに応じ、「Yahoo!はインターネット指折りのブランド。その最高位職を引き受けるという決断は比較的容易だった」と答えている。

 また米ForbesはGoogleのEric Schmidt会長が「テクノロジー企業で新たに女性CEOが誕生したことを個人的にうれしく思う」と祝辞を述べたと伝えている。テクノロジー業界には、米IBMのVirginia Rometty CEO、米Hewlett-Packard(HP)のMeg Whitman CEO、米FacebookのSheryl Sandberg最高執行責任者(COO)などの女性経営トップがいるが、その数は少ないとNew York Timesなどの海外メディアは報じている(関連記事:IBM、新CEOに上級副社長のRometty氏を任命、12年1月就任へ)。

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