写真1●Ignite for Oracleの画面
写真1●Ignite for Oracleの画面
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 クライムは2012年7月9日、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)であるOracle Databaseの性能情報を、エージェントを使わすに収集して分析するソフト「Ignite for Oracle」(写真)を販売開始した。価格はオープンだが、市場想定価格はCPUコア当たり18万円(税別)から。開発会社は米Confio Software。

 Ignite for Oracleは、監視対象であるOracle Databaseの性能情報を収集して分析するソフトである。SQLクエリーの応答時間やシステム性能の統計値(CPU/メモリー/ディスク)など、25個の項目を収集して分析し、応答性能が遅くなる理由と対策を示す。時間がかかっているSQLクエリーがどれで、どの部分が問題なのか、などが分かる。サーバーが正常でないことも分かる。

 特に、負荷分散クラスター構成のOracle RAC(Real Application Clusters)に関連する応答時間のオーバーヘッドを特定し、Oracle RACに固有の問題を診断できるとしている。また、現在の性能を分析できるだけでなく、秒/日/月/年などの一定期間の単位で繰り返して発生する性能悪化のパターンと傾向を分析できる。

 性能情報としては、Oracle Databaseが自身の稼働状況を格納する専用のビュー「動的パフォーマンス・ビュー」(V$ビュー)の情報を取得する。性能監視に伴って監視対象のOracle Databaseにかかる負荷は1%以下という。性能情報を取得する際にAWR(自動ワークロードリポジトリ)を参照しないため、Oracle Tuning Packのライセンスが必要ない。

 ソフトウエア構成は、監視対象のOracle Databaseのほかには、Ignite PIサーバー(分析サーバー)と、分析用データを蓄積するリポジトリデータベース(Oracle DatabaseまたはSQL Server)である。Ignite PIサーバーは、監視対象のOracle Databaseとは別の任意のサーバー機に導入する。ユーザーインタフェースはWeb(Java)であり、WebブラウザーからIgnite PIサーバーにアクセスして利用する。

 なお、今回のIgnite for OracleはOracle Database向けのバージョンである。クライムは今後、準備が整い次第、SQL Server版のIgniteとDB2版のIgniteを提供する予定である。