米Gartnerは現地時間2012年7月11日、世界のパソコン市場に関する調査結果(速報値)を発表した。それによると、2012年第2四半期における世界のパソコン出荷台数は8750万台となり、前年同期から0.1%減少した。世界のパソコン市場はゼロ成長あるいは伸び率1桁台の低成長が7四半期続いている。Gartnerは、世界各地の経済情勢の先行き不透明感に加え、消費者のパソコンへの関心の低下が主な原因と分析している。またUltrabookへの期待が高まる中、市場全体に与える影響は小さかったという。

 第2四半期のメーカー別出荷台数を見ると、米Hewlett-Packard(HP)が1304万台でシェア14.9%を獲得し首位を維持したものの、出荷台数は前年同期から12.1%減と大きく落ち込んだ。2位は中国Lenovo Group(聯想集団)で出荷台数は前年同期から14.9%増。Lenovoのシェアは14.7%となり、HPとの差を縮めた。3位は台湾Acerでシェアは11.0%だった。この後、米Dell(シェアは10.7%)、台湾ASUSTeK Computer(同7.0%)と続いた。

 Gartnerの主席アナリスト、北川美佳子氏は「消費者のあいだで、スマートフォンやメディアタブレットなど非パソコン機器の購入が進む一方、パソコンへの支出については関心が弱まっている」と述べている。この傾向は成熟市場で顕著だという。また米Intel主導でメーカー各社のUltrabookへの投資が進んでいるが、この市場セグメントは依然として「早期導入者の段階」と指摘している。

 第2四半期の出荷台数を地域別で見ると、米国が1590万台で前年同期から5.7%減少した。同国におけるHPとDellの出荷台数はそれぞれ12.7%と9.5%減少した。米Appleは4.3%増加した。

 EMEA(欧州/中東/アフリカ)は2510万台で前年同期比1.9 %増。西欧では、ほぼすべての国で需要の低迷が見られ、この傾向はとりわけ南欧で強いという。日本を除くアジア太平洋地域は同2%増の3180万台。米国、欧州の経済情勢に加え、中国の景気減速が地域全体に影響を及ぼしたとGartnerは見ている。このほか中南米は同1.7%減の930万台。日本の出荷台数は390万台超で同2%増となった。

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