米IHS iSuppliは現地時間2012年7月11日、米Googleの新たなタブレット端末「Nexus 7」の実機を分解して調査した原価分析結果(推定値)を発表した。それによると、下位機種の8Gバイトモデルは利益がほとんどないとみられる。

 Nexus 7は台湾ASUSTeK Computerが製造し、7インチのHDディスプレイを備え、最新OS「Android 4.1」(開発コード名は「Jelly Bean」)を搭載する。iSuppliの見積もりでは、希望小売価格199ドルの8GバイトモデルはBOM(Bill of Material:部品表)に基づく部品原価が151.75で、製造コストを含めた場合159.25ドル。希望小売価格249ドルの16Gバイトモデルは部品原価が159.25ドル、製造コストを含めると166.75ドルとなる。

 これにソフトウエア開発やライセンス料などの諸費用を加えると、8Gバイトモデルは利益ゼロ、16Gバイトはわずかに利益が出る程度だと、iSuppliはみている。

 競合製品の米Amazon.comの「Kindle Fire」(7インチディスプレイ/8Gバイト容量)は希望小売価格が199ドルであるのに対し、部品原価は133.80ドル。iSuppliは2011年11月に、Kindle Fireの部品原価を191.65ドルと見積もったが、部品価格の大幅な下落により今回推定値を引き下げた。

 Nexus 7の方が部品原価が約18ドル高い主な要因として、Kindle Fireにはないカメラや近距離無線通信(NFC)を搭載しているほか、Kindle Fireより高価な高解像のIPSディスプレイ(38ドル)、米Nvidiaの「Tegra 3」クアッドコアプロセッサ(21ドル)などを採用している点が挙げられる。

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