写真●日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者 遠藤隆雄氏
写真●日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者 遠藤隆雄氏
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 日本オラクルは2012年7月11日、2013年度の戦略説明会を開催した。日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者の遠藤隆雄氏は、「オラクルのエンジニアドシステムで“Simplify IT”(ITの簡素化)を目指し、それが実現できたところで“Unleash Innovation”(イノベーションを解き放つ)を推し進める」と語り、同社の方向性を示した(写真)。

 遠藤氏は、Simplify ITについて、「顧客はIT予算の多くをサービスコストとして支払っている。オラクルが目指すのは、サービスを製品に組み込むことだ。顧客が支払うサービスコストを少しでも(オラクル)製品に費やせば、ITはよりシンプルになる」と説明した。

 また、Unleash Innovationについては、「Simplify ITが実現すれば、次に新たなイノベーションを解き放すことが可能となる」と遠藤氏。同氏は、過去10年に世界経済を押し上げたビジネスの3分の2は新興企業から生まれたとして、「新しいビジネスや市場を作ることこそが企業の成長の原動力になる」と語った。

 日本オラクル テクノロジー製品事業統括本部長の三澤智光氏は、具体的にどのようにして顧客に対しSimplify ITとUnleash Innovationを提案できるかについて、「データを価値に変えるスピードをどれだけ上げられるかにかかっている」とし、「実際データベースは、1996年から2010年までに性能が220倍になり、コストは100分の1になった。つまり、より安価に高度な情報活用ができるようになっている」と説明した。

 また三澤氏は、顧客のイノベーションを支援する製品のひとつとしてクラウドを挙げ、「オラクルは、セールスフォース・ドットコムに次ぐクラウドの大手ベンダーだ。すでにCRM On Demandを提供しているほか、RightNowというコンタクトセンターのクラウドサービスも提供している。今後、Fusion Applications群はほぼすべてがクラウドで展開可能となるほか、PaaSとしてデータベースクラウドやJavaクラウドも日本で展開する予定だ」と述べた。

 Simplify IT、Unleash Innovationに加え、同社がもう一点注力するのはカスタマーエクスペリエンスだという。遠藤氏は、カスタマーエクスペリエンスを向上させることにより、「顧客が“ワオ!”と驚きの声を上げるような企業を目指す」という。「顧客が感動する一番の理由は、すばらしい対応を受けた時。オラクルは“ワオ!”と言ってもらうため、さまざまなソリューションや製品を提供するとともに、カスタマーエクスペリエンスにフォーカスしていきたい」とした。