写真1●米VMwareでクラウドインフラストラクチャおよび管理ソシューション担当上席副社長を務めるRaghu Raghuram(ラグー・ラグラム)氏
写真1●米VMwareでクラウドインフラストラクチャおよび管理ソシューション担当上席副社長を務めるRaghu Raghuram(ラグー・ラグラム)氏
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 「Amazon Web Servicesなど各社のIaaSを束ねて管理できるようにする」。ヴイエムウェアは2012年7月11日、都内で説明会を開き、同社のサーバー仮想化(クラウド)製品やパートナー戦略について、今後登場する製品の情報を含めて紹介した。VMwareベースのIaaSパートナーを拡大することに加え、VMwareベースではないIaaSを含めて一元的に管理できるようにするという。

 説明会では、米VMwareでクラウドインフラストラクチャおよび管理ソシューション担当上席副社長を務めるRaghu Raghuram(ラグー・ラグラム)氏が登壇(写真1)。同氏は、各社のIaaSとプライベートクラウドをつないで運用するハイブリッドクラウドの時代に必要になる製品やサービスについて説明した。

 米VMwareは元々、ユーザー企業向けにプライベートクラウド運営ソフト(サーバー仮想化ソフト製品群)を提供してきた。ここへきて、IaaS市場の成長に合わせるかたちで、IaaSを提供するサービスプロバイダー向けのIaaS基盤ソフト(vCloud製品群)を用意したほか、vCloud製品群を適用したIaaSプロバイダーの拡大に注力してきた。

 vCloudとは、IaaSベンダーをクラウドリソースの一つとして共通のAPIを介して使えるようにする製品である。vCloudを使ったIaaS同士の間や、vCloudを使ったIaaSとプライベートクラウドとの間で、自由に仮想サーバーイメージを移動/配備(プロビジョニング)できるようにする。米VMwareとしては、vCloudベースのIaaSプロバイダーを拡大することが戦略の一つとなる。

 今回さらに、vCloudを適用したIaaSプロバイダーに加え、OSS(オープンソース)や他社製IaaS基盤ソフトを適用したIaaSプロバイダーを含めて一元管理できるようにする製品を用意した。具体的には、米DynamicOpsを買収し、同社のIaaS管理ツールを手中に収めるという。製品の出荷時期などは未定だが、これにより、Amazon Web Servicesを含めた各社のIaaSを、vCloudベースのIaaSと同様に一元的に管理できるようになる。

 説明会の同日、日本国内でも、vCloudを適用したIaaSプロバイダー(記事執筆時、全5社)の1社として、新たに日立システムズが加わった。また、同日から、ゼネックITソリューションズが、vCloudベースのIaaSサービスを実稼働させた。この2社のほか、NTTコミュニケーションズ、伊藤忠テクノソリューションズ、ソフトバンクテレコムの3社が既にvCloud適用IaaSプロバイダーとなっている。