写真1●米グーグルのEnterprise新製品担当ディレクターであるシャイリッシュ・ラオ氏
写真1●米グーグルのEnterprise新製品担当ディレクターであるシャイリッシュ・ラオ氏
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写真2●BigQueryと連携した「QlikView」のデモサイト
写真2●BigQueryと連携した「QlikView」のデモサイト
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 グーグルは2012年7月10日、東京都内で法人顧客を対象としたイベント「Google Atmosphere on Tour」を開催した。米グーグルのEnterprise新製品担当ディレクターであるシャイリッシュ・ラオ氏(写真1)は記者会見で、6月に発表したIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)である「Google Compute Engine」や、5月から商用提供を開始した大量データの分析サービス「BigQuery」など、エンタープライズ向けサービスを強化している現状をアピールした。

 Google Compute Engineは、ユーザーに対して仮想マシンをサービスとして提供するものだ。1万プロセッサコア分の仮想マシンを数分で用意できるという拡張性の高さが特徴であり、ラオ氏は「グーグルの検索サービスなどが使用する巨大で信頼性の高いITインフラを、ユーザーは自由に利用できるようになる」と強調した。Google Compute Engineの用途としては、「巨大なバッチ処理やビッグデータの分析、ビデオエンコーディングなど、大量のコンピュータパワーを必要とする処理」(ラオ氏)とする。

 グーグルが2008年に開始したPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「Google App Engine(GAE)」も、順調に利用は増えているという。現在、GAE上には月間50万種類のアプリケーションが稼働しており、GAEのデータベースである「データストア」は月間2兆件の処理を行っているという。日本で6月に開催された「AKB48総選挙」で使われたWebアプリケーションはGAE上で稼働しており、同アプリケーションは最大で毎秒2万4000クエリーを処理したという。ラオ氏はこれらの実績を踏まえて、「GAEのデータストアは、世界最大規模のNoSQLデータベースだ」と主張した。

 ラオ氏はまた、エンタープライズ向けのサービスとしてBigQueryも紹介した。「BigQueryは、数ペタバイトで、何十億行にも及ぶ本当に大きなビッグデータを、グーグルのインフラを使って数セントで解析できるというサービスだ」(ラオ氏)。データを分析するアプリケーションはSQLを使って開発するほか、米クリックテックのビジネスインテリジェンス(BI)ツールである「QlikView」を利用することも可能(写真2)。ラオ氏はQlikViewのユーザーインタフェースからBigQueryを操作し、米国の統計情報を分析するデモなどを披露した。