富士通は2012年7月10日、オンプレミスでありながら月額制で利用できるビッグデータ分析ソフト「Enterprise Big Data Analysis」を発表した。ミドルウエアのライセンスに加え、システム導入SIや保守サービスを含めて月額で提供する。価格(税別)は月額180万円からで、最低利用期間は1カ月。基本構成の場合、買い取り型ライセンスの約5分の1の費用で導入できる。2012年8月1日に提供開始する。

 分散データ処理(Hadoop)とCEP(複合イベント処理)の二つの機能を中核に据え、これらの処理を実行するためのミドルウエアや開発ツールをパッケージ化して提供する。富士通が動作検証済み/初期設定済みのソフトウエア構成とすることで、通常であれば3~4カ月かかるシステムの初期導入期間を、最短1週間に短縮できるとしている。

 用途に応じて、(1)「データ分析処理モデル」、(2)「バッチ処理モデル」、(3)「ストリームデータ処理モデル」---の3モデルを用意した。(1)のデータ分析処理モデルは、各種の分析関数をライブラリーとして提供し、アプリケーション開発支援SIサービスも提供する。(2)のバッチ処理モデルは、既存システムとデータを共用することで、データの移動を伴わずにバッチ処理をオフロードできる。

 中核となるミドルウエアは、2012年5月に出荷した「Big Data Platform」と「Big Data Middleware」である(関連記事)。同ミドルウエアは、2012年1月に開始したSaaS型サービス「データ活用基盤サービス」の主要機能をソフトウエア製品として切り出したもの。今回、新製品としてEnterprise Big Data Analysisを追加したことで、従量課金(SaaS)と買い取り(オンプレミス)に、その中間と言える従量課金(オンプレミス)が新たに加わった形だ。