写真1●Social Media Analytics by NetBaseの画面例。時系列で、書き込みの頻度や、その書き込みがポジティブかネガティブかといった傾向をつかめる
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写真2●SAPジャパンの桐井健之バイスプレジデントビジネスアナリティクス営業本部本部長
写真2●SAPジャパンの桐井健之バイスプレジデントビジネスアナリティクス営業本部本部長
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写真3●米NetBase SolutionsのFred Mondragon事業開発担当バイスプレジデント
写真3●米NetBase SolutionsのFred Mondragon事業開発担当バイスプレジデント
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 SAPジャパンは2012年7月10日、ソーシャルメディア上の評判を分析するクラウドサービス「SAP Social Media Analytics by NetBase」を発表し、同日より提供を開始した。

 SAPによると、同社は国内外のソーシャルメディアから随時データを収集しており、過去1年間のデータを「約1.5億件」蓄積しているという。Social Media Analyticsでは、このデータを基に、自社および自社商品の評判分析や、競合他社との比較分析の機能を提供する。

 商品やブランドに対する評判がポジティブかネガティブかといった傾向分析に加え、熱意を持って書き込まれているかどうかといった感情傾向の分析、返品などの消費者行動にどう結びついているか、などの分析が可能という(写真1)。

 対応言語は日本語、英語など主要言語7カ国語。分析対象ドメインは8万6900。TwitterやFacebookなどのグローバルなソーシャルメディアだけでなく、「Amebaブログ」や「2ちゃんねる」などの日本国内向けのソーシャルメディアも分析対象に入れられる。一部のサイトでは隠語や皮肉を使った独特の言い回しが見られるが、こうした表現を考慮した分析も可能という。

 このサービスは、SAPが米NetBase製のソーシャルメディア分析サービスをSAPブランドで再販するもの。画面などの日本語化をSAPジャパンが、日本向けの分析機能などのローカライズをNetBaseが担当した。独SAPでは2012年1月から提供している。

 利用想定ユーザーは商品企画担当者やブランドオーナーなどのユーザー部門。「このサービスは、ネット上にある膨大な声をリアルタイムに分析できる。このようなメリットを持つ製品を広く多くのお客様に体験していただきたい。既存のSAP製品のお客様であるかどうかを問わず、広く販売していく」(SAPジャパンの桐井健之バイスプレジデントビジネスアナリティクス営業本部本部長、写真2)。

売り上げなど定量データと組み合わせた分析も可能に

 併せてSAPジャパンはSocial Media Analytics by NetBaseについて、同社が提供する他のデータ分析製品を組み合わせた利用法を提案する。

 Social Media AnalyticsのデータはAPIを通じて、「SAP BusinessObjects」などの分析ソフトにエクスポート可能という。「ネット上での評判が実際の売り上げにどう影響が及んでいるか、キャンペーンが売り上げや評判にそれぞれどう影響を与えたか、といったような、ソーシャルメディアの傾向と定量データを組み合わせた分析ができるようになる」(SAPジャパンの瀬尾直仁ビジネスアナリティクス営業開発部マネジャー)。

 料金は月額制。最小構成は3カ月継続利用で58万9950円(税別)。料金額はユーザー数およびトピック(検索条件の組み合わせ)数により変動する。

 同製品の発表会には、米NetBase SolutionsのFred Mondragon事業開発担当バイスプレジデントも登壇(写真3)。海外での事例として、消費財メーカーや自動車メーカーの利用例を紹介した。消費財メーカーでは、新商品の広告を投入した際のコールセンターとネット上での反応を比較した。コールセンターでは広告に対してネガティブな声が寄せられたが、ネット上の反応をNetBaseで分析したところポジティブな反応が多かったため、マーケティング活動を継続。その結果、販売機会を失うことなく売り上げを確保できたという。

■変更履歴
記事公開当初、第5段落のローカライズの説明に一部誤りがありました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2012/07/10 20:25]