福井市は、2012年9月中旬までに実施方針を決定し、本年10月以降2年間にわたって無線LAN環境の整備・拡張(ハード事業)及び情報ポータルサイトの整備・充実(ソフト事業)を進める。

 第2回福井市公衆無線LAN推進委員会(地元のケーブルテレビ事業者や大学、商店街連合会、交通機関らで構成。総務省北陸総合通信局もオブザーバーとして参加)が2012年7月3日に開催された。この日は、福井ケーブルテレビが福井駅前において6月22日から28日に実施した無線LAN実証実験の概要(実験は8月末まで継続)が報告された。そのあと「ICT福井市中心市街地元気プロジェクト」が提言された。福井市の取り組みは、この推進委員会の提言を受けたものである。

「ICT福井市中心市街地元気プロジェクト」では、ケーブルテレビ事業者(福井ケーブルテレビ)が、中心市街地に、誰でも無料で利用できるメッシュ型無線LAN網を整備する。あわせて、それらをプラットフォームにして地域に賑わいと元気を創出し「まちづくり」を推進するため、観光客、買物客、ビジネスマンなど、あらゆる層を対象にしたポータルサイトを、福井市やまちづくり福井などの関係者が構築する。「お店の情報を入手するとともに、GPSも利用して、現在位置からお店までの案内や近くの駐車場へ誘導」「FeliCa内蔵モバイルPOS端末と電子マネー機能内蔵ICカードのセンターサーバーを無線LAN網で接続することで、各店舗が実施する共同販促(ポイント10倍セールなど)などエリアが一体となったポイントサービスを展開」「AR技術を活用して福井の歴史を甦させる」などを挙げる。

 福井ケーブルが6月22日~6月28日に行った実証実験では、アクセスポイントを福井駅前アーケードの6カ所に設置した。福井ケーブルのホームページ上のみの実験周知であったが、1日当り最大で約1800のアクセス、累計で約7800のアクセスがあった。このうち、ケーブルテレビ非加入者のアクセス数(無認証)は6400で、ケーブルテレビ加入者のアクセス数の5倍弱に上った。また、使用者数は累計約850人で、1日平均100人程度のアクセスがあった。

 アクセスポイントのカバーエリアは見通し圏内では100~150m、見通し圏外では50~60mであった。なお、無線LAN接続時にポータル画面へ誘導することとしていたが、無認証接続の場合にポータル画面に誘導されなかったことから、引き続き検討を行うという。また、スマートフォンのOSによっては、一部の端末で、アクセスポイント間をハンドオーバーしない端末があったという。

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