法務省入国管理局で2012年7月9日、同日から発行を開始した「在留カード」の管理システムで障害が起きた。全国の空港や在留窓口で新しい在留カードの発行が遅れる事態が発生し、東京入国管理局では数百人が行列を作った。

 入国管理局は7月10日にシステムを部分復旧させ、在留カード発行業務を再開し、窓口業務はほぼ正常化した。入国管理局総務課広報担当によると、システム遅延の原因は「在留カードに電子署名を付与する処理で、何らかの理由で遅延が発生している」ことだという。ただし根本的な原因究明はまだできておらず、10日以降は対症療法としてその場で在留カードを受け取らなければならない人には電子署名なしのままの在留カードを交付する。受け取りを急がない人は受付のみをして後日、正規の在留カードを交付する。

 電子署名処理の正常化を含むシステム全体の復旧のメドは立っていない。

 在留カードは現行の外国人登録制度に代わるものとして導入された。外国人登録証明書を持つ外国人は一定の期間内に在留カードに交換する必要がある。