米Microsoftは現地時間2012年7月9日、マルチタッチディスプレイの米Perceptive Pixel(PPI)を買収することで両社が最終合意に達したと発表した。買収金額などの条件については明らかにしていない。

 PPIは、マルチタッチ技術の草分け的存在であるJeff Han氏が2006年に立ち上げた。米ニューヨーク州に本社を置き、大型マルチタッチディスプレイの研究、開発、製造を手がけている。2007年に最初のマルチタッチワークステーションを出荷し、2008年の米大統領選報道でCNNをはじめとする報道機関が採用したことにより名前が広く知られるようになった。同社の特許技術は政府や防衛関連、放送、エネルギー開発、エンジニアリング、高等教育など、さまざまな分野で使われている。

 MicrosoftのOffice部門担当プレジデントであるKurt DelBene氏は、「PPIの大型タッチディスプレイと当社OEMのハードウエアを組み合わせることで、次期OS『Windows 8』を搭載した強力なパソコンを構成し、プロダクティビティとコラボレーションの新たな可能性を切り開くことができる」と述べた。

 MicrosoftはOffice部門の各種製品とPPIの技術との密な相互運用性に取り組む。米メディア(eWeek)は、特にさまざまなコラボレーション機能を備える「Lync」や「SharePoint」との統合を進めるだろうと報じている。

 なおMicrosoftは、Windows 8の正式公開を10月中に行うことを同日発表している(関連記事:「Windows 8」は8月にRTMへ、正式リリースは10月)。

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