米Amazon.comが自社ブランドのスマートフォンを開発中だと複数の海外メディア(米Bloomberg米CNNなど)が現地時間2012年7月6日に報じた。

 Bloombergは事情に詳しい2人の関係者の話として、Amazonのスマートフォンは米GoogleのモバイルOS「Android」を搭載する端末になると伝えている。またAmazonのスマートフォン開発にはすでに、台湾Hon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)の傘下で、携帯電話製造受託サービスを手がける中国Foxconn International Holdings(富士康国際)が協力しているという。Amazonは、電子書籍リーダー端末「Kindle」やタブレット端末「Kindle Fire」と同様に、低価格のスマートフォン端末を市場投入し、電子書籍や音楽、映像などデジタルコンテンツの販売拡大を狙うとBloombergは伝えている。

 一方CNNは、電子書籍やタブレット端末などをいち早く市場投入しシェア拡大に成功してきたAmazonだが、スマートフォン分野では韓国Samsung Electronicsと米Appleが世界市場の大半を占めており、Amazonは苦戦を強いられそうだと伝えている(関連記事:世界スマホ市場シェア、Androidが59%、iPhoneは23%---IDC調査)。

 スマートフォン市場では特許をめぐる法廷闘争も激しさを増しており、訴訟費用が高くつくなど、事業の成功には障壁が高いとCNNは指摘している。ただ、BloombergによるとAmazonはすでに特許についての施策を講じている模様だ。Amazonは最近、米Microsoftの元最高技術責任者(CTO)Nathan Myhrvold氏が設立した知的財産管理会社Intellectual Ventures Managementで幹部を務めていたMatt Gordon氏を雇い入れており、これにより特許資産の強化を図っているという。

 なおCNNによると、Amazonがスマートフォンを開発しているといううわさは、Amazonのサプライチェーンの情報を入手した米Citigroupのアナリストが2011年11月に報告して浮上した。CNNは、Bloombergの今回の報道はこのアナリストの観測を裏付けるものになったと伝えている。